検索窓
今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:149,903 hit

集中 : 銀時 ページ7

部屋の前でもたくさしてると
月詠に胸ぐらを掴まれ、部屋へと投げ込まれた。

ねえ、マジで何してくれてんだよ、あの女。
恥ずかし過ぎて、プライドどころじゃねぇんだけど。
突っ伏したまま、顔上げられねぇんだけど。



「………あの、大丈夫、ですか?」



透き通るような声が聴こえて、慌てて座り直す。



銀「だ、大丈夫!大丈夫!!!
ほんっと乱暴者で困っちゃうよね、月詠ちゃんは!!」



ははは、と笑ってみせると
頭を下げ、指を揃え遊女特有の挨拶をする。



「今宵、お供させていただきやす。
Aと申します。
よろしゅうお願い申し上げます」


銀「あ、ああ。は、初めまして。
坂田銀時と申します。よろしく、、ね…………」





しゃらん、と簪が揺れ
まるでスローモーション映像みてぇに
顔を上げる仕草が俺の息を止めた。


白く透き通る肌に、赤く引かれた紅。
俯いていた長い睫毛が、動き
その大きな黒い眼が俺を見つめた。





息も、時間も、止まったみてぇだ。





そして、一瞬で全身の熱が
上がったのを感じた。






なんだ、これ。






「………銀時、さま?」





透き通る声が俺の名を呼ぶ。
はっ、としてすぐに答えたかったのだが
その唇が俺の名前を呼ぶ為に動き、
その大きな眼が俺を心配そうに覗き、
その艶やかに上げられた黒い髪が
首を傾げたことで、はらりと垂れ
俺の全神経は目の前にいる、女に集中していた。





「……、日輪さんの間違いでしたかね」


銀「…へ!?ま、間違い!??」



突拍子もない腑抜けた声を出すと、
Aは立ち上がり、俺に一礼する。



「ごめんなさい。
銀時さまの好みではなかったようなので
少しお待ちいただけますか?
代わりの者を連れてまいりま、」


銀「違う違う違う!!!
そうじゃないの!そんなんじゃないの!
いいから!いいから!座って!!!」


「……えと、わたしが相手で宜しいのですか?」


銀「宜しい!宜しい!超宜しい!!!
だから!はい!座って!ね!?お酌お願いしよっかな!?」


「…はい。喜んで」




慌てて、引き止めたものの。




え、何この子。
ほんとに、何なの。
こんな絶世の美女、いたっけ!?
綺麗で儚げで妖艶で、
え、俺今、どんな状況!?




「銀時さま?…こちらへ」




呼ばれて、慌てて振り向くと
やんわりと微笑むその子は
布団が敷かれてる横で俺を手招きしていた。





ちょ、





……え。





やっべぇ。

斜め45度 : 銀時→←好きに : 銀時



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
112人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 土方十四郎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美雨 | 作成日時:2019年2月27日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。