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エンドロール : 銀時 ページ36

ぐず……ぐずず…

エンドロールになると、
泣き声がどこからか響き渡った。
もちろん、それは俺も同じで。



銀「ぐず…悪い、ちょっと感動しちまって」



横を見ると、表情ひとつ変えずに
頬に一筋の涙を流すAちゃんがいた。
俺、初めて見たよ。こんなに美しく泣く人。



「驚きました…こんなに感動できるとは…ぐず」



すげぇな。見た目も綺麗なのに、
この子と来たら、中身まで綺麗なのか。
いい子だよ、この子絶対いい子だよ!



「でも、何故でしょう。銀時さん。
今し方、横を通られ出て行かれた人が
なんで泣いてんだ?感動するとこあったか?と
言っていました…」


銀「都会に生きる奴は心を亡くしちまった…。
お、前の席の人。同志じゃねぇか!
ペドロで感動しないなんて、おかしいよなぁ!?」


?「ああ、あんたの言う通りだ。ぐずず…
かぶき町の奴らは心がなくていけねぇ、…や」


銀「……は?V字!?」


土「ああ!?てめぇかよっ!!
ずっとずびずび、うるさかった奴!」


銀「ああ!?お前だって、
クソうるさく泣いてたろうが!!
何で昼間っから、映画見てんだ!
この税金泥棒!!!!」


土「っふざけんな!服装見りゃ分かんだろ!
こちとら、出張明け一週間ぶりの非番だ!」


銀「着流し着てようが制服着てようが、
警察に見えねぇ三白眼でいちゃ
犯罪者みてぇなもんだろうが!!」


土「ああ!ああ!
着流し着てようが制服着てようが関係ねぇ!
警官侮辱罪でとっ捕まえてやらぁ!!!」


「ぐずず……ずび」


土「ったく、てめぇの連れか!?
ふたりして、後ろでうっさかった奴らは!」


「……ずびーっ……、あ」


土「…は?」



はっとして、Aちゃんを見ると
鼻を赤くしながら土方くんを見上げていた。
土方くんは声を漏らし、眼を見開いていた。



銀「?あ、え。…何?」


土「A…、お前なんで、こいつと」


「土方さんだったんですね。
いつもと違うので、ぐず…分からなかったです」


土「Aは吉原を出ないって
聞いてたが………」


「はい、今日初めて出てきました。
今初めて映画館で映画も見終わりました」


土「……初めて…」


「はい」



じっと見つめ合うふたりの間に
慌てて、割って入る。



銀「ちょっと!!
俺を置いてかないでくんない!?
何!?なんで?ふたりは知り合いなの?」


土「てめぇこそ…っ!!A!
こいつに付き纏われてんのか!?」


銀「ああああああ!???」

お友達 : 土方→←楽しみにしてた筈なのにな : 銀時



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作者名:美雨 | 作成日時:2019年2月27日 23時

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