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フル装備 : 銀時 ページ32

銀「今、なんて?」


「あの、万事屋さんって何屋さんですか?」


新「えぇと?銀さん?」


銀「あれ?万事屋知らねぇ?」


神「お前、何屋かも知らないのに
依頼人言うたアルか?
久しぶりの客だと思ったのに…
ぬか喜びさせるなアル!!」


銀「だから、久しぶりなんかじゃねぇって!」


新「ええ、じゃあ、Aさんはどうしてここに?
さっき、銀さんにお願いがあるって…」



前のめりになって、
Aちゃんに食らいつくふたりに
頭を抱えながらも
この子クラスの花魁を買える、
万事屋なんて職業の奴ぁ、
いなかったんだろうなとため息を吐く。



「…何屋かは分からないけれど、依頼があれば
銀時さんに逢えるのかなって思って」



はたっ…



銀「へ、」



頭を抱えながら俯いてた顔を、驚いて上げると
少し恥ずかしそうに頬を染める、
上目遣いのAちゃんと眼があった。



銀「…っ!」



神「うわっ!どうしたネ、銀ちゃん!
顔が一気に真っ赤になったアル!!」


新「銀さん!?大丈夫ですか!?」


銀「大丈夫大丈夫!
不可抗力で熱上がっただけだから!!」



顔面から仕草から雰囲気から、
もうフル装備なの?末恐ろしいんだけど。
心臓ばっくばくなんだけど。



銀「い、依頼なんてなくても
Aちゃんならいつだって、大丈夫だよ!
それに、この前休みに
団子屋に行こうって約束したろ?ね!?」


神「銀ちゃん、いつAとそんな約束したアルか?
ていうか、ふたりは結局どこで、」


銀「さああぁぁて!
さっそく、行こうか!?
あ、でも俺まだパジャマ…ちょ、
ちょっと待っててね!?」



バタバタバタっ



新「…何か必死に隠してるみたいだね」


神「こちとら、だいたい予想はついてるネ。
ほんとに男って生き物はどうしようもないアルな。
A、銀ちゃんにあんまり
気を持たせるようなことするなヨ!!
惨めったらしいアラサーになってしまうアル!」


新「神楽ちゃんっ!!
僕は志村新八と言います!この子は神楽ちゃん。
万事屋で銀さんと一緒に働いてる者です!
まぁ…あんな感じなんで、
僕たちとしては心配なんですよ」


「ふふ…」


神「何がおかしいアルか!!!
只でさえ、金無しのくるくるパーなんだから
これ以上、婚期逃したら大変ネ!!」


「ご、ごめんなさい…やっぱりと思って」


新「やっぱり?」


「ええ。だって、こんなに大切に
思って貰えてるってことは
やっぱり、銀時さんは
優しくて素敵な人なんだなって」

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作者名:美雨 | 作成日時:2019年2月27日 23時

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