検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:149,885 hit

上手に傷つけるのも、 ページ25

鏡に映る自分の顔が
どこか複雑なのは、



?「入るぜー」



この人の優しさを
利用してしまっている、自分に
気付いてしまったから。



「…はい」



す…



銀「よっ!」



にかっと笑いながら、
部屋に入ってくる銀時さんに
曖昧に笑って応える。

そもそも、遊女と客など
利用し合って成り立つモノで
そこに憐れみや嫌悪など
まるで似つかわしくないのだけれど

分かって、いるのだけれど



銀「元気してた?つっても、
一昨日逢ったばっかだけど」



彼のこの、屈託のない笑顔を
これ以上、奪いたくない。



「ええ、銀時さんは?」


銀「元気、元気!超元気!
…あ、でもよ、ちょっと気になることがあってよ」


「?何ですか?」


銀「違かったら悪ぃ、最近
警察が入ったりしてねぇか?
何か事件に巻き込まれたりとか、
大丈夫か?」



誰から、聴いたのだろう。
土方さんにも日輪さんにも
他言しないよう言われているのに。



「ええ、わたしは別に」


銀「そ、そうか!よかった…。
ずっと心配でさ」


「ふふ、ほんとに…
銀時さんはお優しいですね」


銀「え?いや、そうかな?
友達のこと心配すんのは当たり前じゃね?」



くくく、と恥ずかしそうに笑う。






友達。






利用するのは、友達とは
呼べない、よね。







「銀時さん」


銀「へ?………、ど、どうした?」



銀時さんに向き直って座り、
真面目な顔して見つめるわたしに
銀時さんも何事かと
わたしに向き直る。



「もう、来ていただかなくて
大丈夫ですよ」


銀「………え、」


「銀時さんの優しさは、
十分にわたしに伝わりました。
どう考えても、今のわたしは
銀時さんの優しさを利用しています。
そんなの、友達とは呼べませんよね?」


銀「………、」


「わたしにとって、銀時さんは
他のお客さまとは明らかに別格で…、
でも、わたしは銀時さんに何も出来ない。
わたしばかり、利用しているのは、、」



そこまで言って、口を噤んでしまった。
なんと言葉にしたらいいのか、分からない。
彼を傷つけたい訳でも
困らせたい訳でもない。




おかしいな。





男の人を上手に傷つけるのも、
少し困らせてみるのも、得意な筈なのにな。





わたしは、銀時さんと
友達、でいたいのかな。






銀「そっか…、ごめんな」

自分らしく→←三日三晩 : 土方



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
112人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 土方十四郎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美雨 | 作成日時:2019年2月27日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。