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すっきり : 土方 ページ21

近「一体どうしたんだ、トシのやつ」


沖「とうとう、イカレちまいましたかねぇ」


山「さっきから、ずっと
携帯見つめたまま動きませんね…」


近「ちょっと声掛けてみるか?」


沖「土方死ねー」


山「ダメです!全然聴こえてませんよ!?」




土「……はあぁぁ」




近「ため息!?
ものっそい、深いため息吐いてたけど!?
何!?トシ、ひょっとして恋煩い!?」


沖「うわ、キモ」


山「でも、ほんとに様子がおかしいですよ。
今日、何かあったんですかね?」


土「おい、山崎」


山「ひぃっっ!?は、はい!?」


近「あ、やっと動いた」


土「なんだ、そこにいたのか。
今日、民間人に協力要請を取り付けてきた。
内密に動くつもりだ。危害を及ばぬよう、
俺がちょくちょく逢いに行ってくるが
万が一の為に、
安全を保証できるようにしておいてくれ」


山「え、あ、はい…。
様子を見に行くのであれば、
俺が行きますよ?どこの人ですか?」


土「いや、いい。俺が行く」


山「え、でも副長はお忙しいし
俺なら密偵も兼ねて行けますから」


土「必要ない。俺が行く」


山「そ、そうですか?」


沖「ザキが行くって言ってんだから、
頼みゃいいじゃねぇですかい。どこの奴でさぁ?」


土「要らねぇって言ってんだろ」


近「どうしたんだ?トシ。
様子が変だぞ。携帯もずっと見つめたままだし」


土「は?携帯?え?別に見つめてねぇけど?
何も迷ってなんかいねぇけど?」


沖「何、迷ってんでさぁ。
そういう時は吉原にでも行って、
すっきりしてきたら、どうですかい?」


土「いいいい行く訳ねぇだろ!?
仕事溜まってんだよ!てめぇのせいで!!
すっきりしなきゃいけねぇことなんか
何もねぇわあああぁぁ!!!!」


近「わわわ、悪かったって!!!
そうだな、仕事が溜まってんだな!
おい、ザキ、トシを少し手伝ってやろう!」


山「いや、それ元々
局長の仕事も入ってますよね…」


沖「あれ、そう言えば土方さん、
前に行った、吉原の店に
聴き込みって行ってきたんですかぃ?」


土「…………あ、ああ」


沖「………土方さん、何隠してんで?」


土「はっ、はあぁぁ!??
何も隠してる訳ねぇだろ!?
と、とにかくこれは内密に動くから
てめぇも余計なことすんじゃねぇぞ!?」


沖「へーーーーい」



と気だるげに返事をする総悟のじと眼に
背を向けながら、
俺はまた携帯に眼を落とし
いつ連絡していいものか、
アホみてぇに悩んでいた。

私にとってお前は→←秘密を打ち明けられたかのように : 土方



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作者名:美雨 | 作成日時:2019年2月27日 23時

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