不器用？ ページ16
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「もう無理っす……セレナがおらんと、なんもできひん…………」
「ショッピくんは相変わらずセレナ大好きやな！俺もセレナ好きやで！！」
「…コネシマさんの声うるさすぎて萎えるんですけど」
「すまん！！！」
セレナ不足でただでさえイライラしてんのに、コネシマさんの癪に障る声を聞いてさらにムカついた。早くセレナに会いたい。5日なんて長すぎやろ、2日くらいでええ。
はぁ、とため息をつきながらタバコを吸う。
いつもはタバコを吸って気分が紛れたりするのに、今日はどうしてもダメだ。
今頃何しとるんやろ。ロボロさん、手出してへんかな。まあ手出しとったら許さへんし、いっか。
「……………会いたい」
言葉にすれば少しだけ楽になるかと思ったのに、やはりイライラは収まらない。
自分がこんなにも彼女に好意を寄せているなんて、今になって気づいた。一緒にいすぎて好きの感覚が麻痺したんだ。
ずっとそばにおったし、セレナが困った時には支えた。好きになるのは不可抗力だと思う。
「ショッピくん見てみ。病みまくっとる」
「うわぁ、シャオちゃん絶対聞こえるように言ったよね。性格悪っ」
「シャオロンはそういうヤツや！ショッピくん気にすんな！」
「……言われなくても」
いつも通り先輩たちはバカすぎる。俺をイライラで死なせたいのかってくらいに。
てか好きな人がおらんのに普通に振る舞えるって、俺には絶対できひん。先輩たちのセレナへの好き度はそれくらいなんか？
でもその程度やったら逆にラッキーかも。
「あ、ショッピくんやばいで」
「なにがやばいん？」
「死んだ目しとる」
「それはコネシマとシャオちゃんがうるさいだけだと思う」
………さすがっすひとらんさん。
セレナがおらんのもあるけど、コネシマさんとシャオさんが黙ってくれればいいんすよ。
「無理…………」
そう呟いで本日5本目のタバコに口をつけた。
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作者名：かえち
| 作成日時：2019年11月3日 18時
