素直 ページ2
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ショッピに相談した日から5年が経って23歳になった今、セレナは幹部という"肩書き"だけで生活している。幹部だけどメイドみたいな感じで。
今から3年前に、彼女がショッピに連れられて来た場所が幹部達の住む屋敷だった。どうやら彼は、幹部になるべき人間だったのだ。しかしショッピはどうしてもセレナと一緒にいたかったらしく、半強制的に屋敷で住ませた。
もちろん最初は他の人から受け入れられていなかったが、まあ今は…………ちょっとの人から少しだけ、受け入れてもらっている。そう思うとセレナの心は軽くなるのだ。
そして驚くべきことが一つ。
「チッ、またコネシマさんこっち見とる」
幼馴染と再会してしまったことだ。
幹部になって8年ぶりに見た幼馴染の顔は、昔の面影が残っているものの大人びていて何だか懐かしく感じた。と同時に、遠い存在になったんだなぁとモヤッとした。
今では普通にしていられるが、再会したての頃は本当に気まずくて仕方がなかった。彼の前でなんて喋ったらいいのか、よく迷ってた気がする。
セレナがそんなことを考えながら雑用に励んでいると、ショッピは本日何度目かわからない舌打ちを恨んでいる先輩へ向けた。
「コネシマさんはさっきから何なんすか。好きなら話しかければいいじゃないですか」
「……話しかけとったら、苦労せえへんわ」
「めんどくさ」
「やって無理やろ！顔見るだけで緊張するんやし！！」
コネシマはセレナのことが大好きだった。
それも昔からずっと。まあ恋愛感情を抱かれているなんて彼女は気づかずにそのまま別れてしまったのだが。しかしまた再会でき、毎日ニヤける事を抑えるのに必死だ。
………けれどコネシマが近づくのをショッピは許すはずもなく、ショッピの内心は穏やかではなかった。
セレナが愛されて自信を持ってくれるのは嬉しいことだが、他のヤツから狙われるのはゴメンだ。
「……………ムカつく」
「俺やってショッピくんにむかついとるで」
「いや俺とコネシマさんのムカつき度は全ッ然違いますから。…一緒にしたらあかん」
「キレんなって！！あれやろ、要するに嫉妬やろ？わかるで」
何故かドヤ顔で言う先輩に、本気でキレそうになったショッピであった。
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作者名：かえち
| 作成日時：2019年11月3日 18時
