もしものはなし (ページ19)

今日:16 hit、昨日:75 hit、合計:157,153 hit

はつこいのはなし① ページ19

.

Aちゃんに恋しちゃったある男の子のはなし

晴れて大学生になった俺は、初めての授業でドキドキしていた。
友達ももちろんまだ出来ていない。

周りにはキラキラした人たちばっかりで、友達もみんな出来ている。
この授業は、1年から3年がいる選択の授業っていうのもあると思うが。
ぼっちなのは俺だけ。

『あの、ここ空いてますか？』

長机の三人席の反対側を指差して、聞いてきた女の子。
目が合った瞬間、余計ドキドキして。
これはきっと一目惚れってやつなのか。

「あ、はい。空いてます。」

『ありがとうございます。』

そう言って座ったその人をバレないように横目で見る。
え、かわいすぎる。キラキラしてる。
と1人で頭の中が暴走する。

落ち着かせるためにカバンの中を見ると、どうやら筆箱が見つからない。
奥の方を探してもない。
終わった...

『なにか忘れ物？』

隣を見ると、俺に話しかけてくれてるらしい。

「あの、筆箱忘れちゃって。」

『一番大事な物やん。笑』

そう言って、シャーペンと消しゴムを渡してくれた。

『わたし、2つ持ってるから使って。』

「まじでありがとうございます！助かります！」

ペコペコしながら、受け取った。

『1年生？』

「あ、そうです。」

『やっぱり。笑
わたし2年やねん。仲良くしてね。』

「よろしくお願いします！」

そこから授業始まるまで、自己紹介して世間話した。

友達がいない俺に、アドバイスくれたり。
サークル入らなあかんとか、授業のグループワークで仲良くなったりするよ、とか。
焦ったらあかんでって。

『でもなぁ、わたしも友達少ないから。笑』

「俺もめっちゃ不安です。」

『でも、まず友達1人できたやん！』

そう言って、自分のことを指差して笑ってる先輩にときめいた。
これからこの授業受けるのがワクワクした。

.