もしものはなし (ページ20)

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はつこいのはなし② ページ20

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それから2ヶ月。
その週2回の授業の授業前には話すようになった。

その日も用意していると、
『おはよ！』
元気に現れた先輩。

「おはようございます。」

『この後の授業、休講になってん！ラッキー！』

授業の準備をしながら話す。
俺は次は空きコマ。
こんなの誘うしかない。

「じゃあ、一緒に今日の課題しません？」

振り絞って出した声。
まじでドキドキする。

『いいな！この授業いっつも課題多いもんな。』

笑顔で応えてくれた先輩に、胸を撫で下ろす。

授業も終わり、食堂で課題をすることに。

『いつもあの辺で食べてんねん。』

席を指差して、話す先輩。

「俺もその辺で食べてますよ。笑」

『え、ほんまに！？気付かんかった！笑』

そう言いながら、ガラス張りの壁の二席に座る。

『これ間違ってんで。』

いざ勉強が始まると、先輩との実力の差に落ち込む。
なんとなく薄々気づいてた。
俺とめちゃくちゃ差があるくらい勉強ができるってこと。

「これめっちゃ難しいですね。」

『大丈夫、大丈夫。見せて。』

そう言って更に近づいてきた。
あと、人との距離感もバグってる。
人見知りって言うてたのにって思ってたけど、それとも俺には心開いてくれたのかなって期待したり。

実は今日こそ連絡先を聞くって決めていた。
今まで逃げてたけど、今日こそ。
あわよくばご飯だって誘いたい。

すると、急にガラスからドンドン！と大きい音が聞こえる。

パッと見上げると、そこには男性二人組。

先輩と目が合うと、ピースするガラスを叩いてたらしき男の子。
もう一人の人は後ろで手を振っている。

先輩が気付いたら、近くの扉から入ってきた。

小島「今の時間授業じゃなかったっけ？」

そのまま先輩の隣に近づいて座った。

『休講になってん。』

正門「はじめまして？やんな？」

俺の方を向いて、声をかけられる。
ギターを背負ってる。

「あ、そうです。はじめまして。」

小島「Aが俺らと知らん人といるの珍しい。」

『さっきの授業一緒ねん。
よしくんには、話したことあるような気がする。』

正門「言うてたな。初日に筆記用具忘れてテンパってた子がいたって。笑
その子か。笑」

ニコニコ見てくる。
人柄がいい人なんやろうな。
てか、俺の印象やばいな。

チラッと先輩を見ると、そのよしくんを見つめてる。
俺と話すときよりキラキラしてて、眩しい。

一目で分かる、好きなんやって。

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