やっぱり心配 ページ17
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(正門)
『ふふ、楽しいなぁ！』
今日は、7人全員で忘年会。
いつもの居酒屋に来ている。
正門「あんま飲み過ぎたらあかんで？」
もう十分飲み過ぎているAに、とどめを刺す。
『だいじょーぶ！』
小島「あんま普段飲まんねんから、この日くらい飲もうや！」
なぁ？なんて肩を組んでる2人。
呑気やな。
『お手洗い行ってくるー！』
正門「ちょ、俺も付いていくわ。」
『だいじょーぶ、だいじょーぶ。』
おぼつかない足取り。
俺ら飲ませすぎたかなー？なんて話してるこじけんと大晴。
絶対お前らのせいや、と思いながらAに付いて行く。
女子トイレの前で、携帯を触りながら待つ。
チラッと見ると、ちょうどAが出てきたタイミング。
声をかけようとすると、俺の後ろから聞こえる声が。
〈え、Aちゃんですよね！？〉
多分同じ歳くらいの男の子。
Aに、一目散に駆け寄る。
『あ、どーもどーも。』
あからさまに顔が強張るA。
〈今日いないなー、って思ってたんですよ！
最近シフト入ってないですよね！？
Aちゃんいる日に来たいんで、連絡先交換して下さいよ！〉
一息に全部話すそいつ。
いやいや、あかんあかん。
「ちょっと待ってください。」
2人の間に割って入って、静止する。
すると、後ろからきゅっと服の端を触る感触。
やっぱ怖いやんな。
「あんまり近づかないでもらえます？」
小島「どーしたん？」
そこにトイレ行こうとしたのか、こじけんが。
すると、男の子の顔をのぞき込んだ。
小島「あー！いつもありがとうございます！」
〈どうも。〉
目をそらすそいつ。めっちゃ怪しいやん。
小島「やからこいつの彼氏怖いからやめとけって言うたじゃないですかー！
殴られる前に戻った方がいいっすよ？」
〈なんやねん。〉
正門「はよ戻れ言うてるやろ。」
俺とこじけんの睨みが効いたのか、そそくさと去って行った。
小島「なんや、あいつ。笑
てか、トイレ行きたかったのに引っ込んだわ。」
そう言いながら、席に戻っていったこじけん。
正門「ありがとうな。」
小島「ええで！」
正門「はー、ドキドキした。」
『ありがとう。』
目線をパッと上げると、またそいつが影から見つめてくる。
ほんま怖いやつやな。
そいつの姿が見えへんように、背中を向けさせて抱き締める。
『どうしたん？』
抱きしめたまま。
正門「ううん、なんもない。」
俺はそいつを睨みつけて、舌を出した。
やっぱりAを居酒屋でバイトさせるのやめよ。
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作者名：みさ | 作成日時：2022年2月9日 23時
