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第7話 でも賭け事は苦手です ページ8

男はそう言って

私に手を差し出した。

「これだけの遊び

では物足りないでしょう。こちらへどうぞ、

刺激的なギャンブルを提供できますよ。」

きっとこの男は私を金だけの目的でギャンブルを

していると思ってない。

恐らく、ギャンブル狂と思っている。

勝っても負けても関係ない、賭け事が目的のやつだ。

だが私は違う。

そう、飲まれない。この女神の誘惑にも。

そしてここで化け物の居所を掴む。

奥に通されるとそこにはシンプルな構造の部屋。

古そうな針時計に、中央にはテーブルが。

私はテーブルの前の椅子に腰掛けて男を見た。

「では、どんなゲームをしたいですか?

先程のルーレット?ポーカー?なんでもいい

ですよ。」

「その前に聞きたいことが。」

男は微笑み、ポケットからコインを取り出し

投げて取る。

「表?裏?」

「…裏で。」

「ちょっ、一華…」

男はそっと手を離す。

裏だった。

「まぁ、所詮は2分の1の確率。

それで聞きたいこととは?」

「このギャンブル場で金を使い果たして自 殺未遂

をした、或いはしかけている客の居場所を知っている

なら教えてください。」

「理由は聞きませんが、後でリストは用意させま

しょう。貴方が勝てばね。」

「分かった。ではゲームはHIGH & LOW

賭け金は…」

「金では駄目ですよ。」

「……では何を?」

「貴方の…そのイカサマの仕組みとかね。

おや、何か焦っているようですね。

私でも見破れなかったイカサマをしていた人物

とは思えない。」

「イカサマなんて…」

「してないと?……困りましたねお客様、

貴方の瞳孔、息継ぎ、言動、全てが怪しい。

さぁ始めましょう。HIGH & LOWでしたね。」

ゲームは始まる。

これも後ろから女神が力を貸してくれる。

ホントに性格はどうしようもない所もあるが

流石神様、全知全能のようで。

女神は男に1枚もカードを当てさせずに終了すると

思った。それもいいがあまり相手に警戒心を与えたく

ない。

(マイノグーラ、これ以上は…)

(へぇ?相手に引かせちゃうのね。いいわ。

あと男が2枚続きで当て終わる。その時になったら

Lowと言いなさい。半分以上当てることになるから)

私は心の中で頷き、男を見る。

相手は何年もギャンブルを生業としているプロだが

残念ながら分が悪い。

(なんせこちとら女神ついてるんだもんね。)

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作者名:卯月 | 作成日時:2019年10月24日 19時

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