異能と魔法

すれ違う ページ19

とりあえず、谷崎さんに頑張ってもらい、

中島敦の異能で芥川は凌げそうだ

あの異能は持ち主のことを考慮せずに暴走する

『あの異能は彼が無意識下に沈み込めている

自分ではない自分を映し出したものかもしれない

だとすると、彼は相当めんどくさい性格の持ち主

なんだな……全く、本当はそんなこと考える

必要が無いのに…』

そう考えながら歩いていると、黒い蓬髪で茶色い

トレンチコートを着た男とすれ違った。

一瞬だけ、彼の目を見る

何かを面白がっていそうで、でも何もかもから

退屈しているといった目をしていた

その目と目が合った様な気がしたけれど、

気のせいだ

あぁ、でも嫌な予感しかしない

あの男がではない。中島敦一行の事だ

気がつけば私は元の裏路地に向かうために

私は方向転換して歩き出していた

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