※移行※契約彼氏。 Part.7【名前変換】

■契約その308 ページ8

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ここでしばらく待つしかないかなぁ。
それかまた機会を伺ってここにきたほうがいいのかなぁ。



悩みながらあたりをキョロキョロしたら
階段の方の曲がり角から颯爽と現れた。








涼介「あ、いた。」

「よかったです。」








教室に向かって歩いてくる瀧島先輩に声をかける。









小夜「ミスのランキング?」



「はい、瀧島先輩ランクインしてたので
　お写真お願いしたくて。」







涼介「これだけ丁寧にお願いしてくれてるんだから
　 撮らせてやれよ。」








これと言ったリアクションをしない瀧島先輩に
涼介先輩が言葉をかけた。








小夜「別に……撮らせないなんていってないし。
　 手短に済ませてくれればそれでいい。」








涼介先輩に促された形で
瀧島先輩はレンズの向こうに立った。





二人はやっぱり特別な関係なんだ。
ただのやり取りなのにそう思わずにはいられなくて





ディスプレイに映し出される
瀧島先輩の姿が滲んだ気がした。









「ありがとうございました。
　ランキング企画展示するのでぜひ見に来てください。
　じゃぁ私は戻りますね。」








逃げるようにその場をあとにした。




階段を駆け下りて滲んだ原因である
涙が溢れないように上を向いてごまかすと







無理に笑わないで。






そんな言葉とともに誰もいない階段の踊り場。
手首がぎゅっと掴まれた。








「裕翔先輩……」




裕翔「ごめんね、何もできなくて。」







「裕翔先輩が謝らなくちゃならない理由ありませんよ。
　ただ私が……私が弱いだけで。
　契約上の仮彼女だってわかってるのに……」








何で誰よりも申し訳無さそうな顔をするの?








裕翔「Aちゃんは何も悪くない、
　 悪くないんだよ。」







何でいつも泣きそうな時に
その優しさで包み込んでくれるの?









裕翔「そんなに苦しいなら……
　 涼介の彼女やめてもいいんだよ。
　 アイツが一方的にした約束なんだから……」







っていっても。







裕翔先輩は少し黙ってから
掴んでいた私の手首を離した。









裕翔「好きだから離れられないよね。
　 離れるのも一緒にいるのと同じくらい
　 辛いよね。」





「裕翔先輩……」






裕翔「けど辛い時は言うんだよ。
　 もう無理ですって言えばいいから。
　 そうしたらそのときは……」



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