家に、北山ってやつが住み着きました。2

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横尾side





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藤｢あなた普通に入ってくるよね他人の家に｣




｢ふふんふん♪｣




藤｢普通に使うよね他人の家のキッチン｣







よし、具を切ります〜



｢トントントンｯ｣




藤｢なんなのそれ笑｣







今日太輔は検診に行ったみたいだけど


みっちゃんには、会ったのだろうか




昨日の様子じゃ病室にも寄らずに帰ったんだろうな







｢太輔｣




藤｢今日北山に会った｣




｢みっちゃんには、会ったのか？……うん？会った、？え、会ったの？｣






あんなに頑なだったのに、随分とさらっと言うから拍子抜けしたよ






藤｢宮田にされるままに｣




｢あー、宮田か｣




藤｢北山、また来てくれますか…だって｣






どこか寂しそうに言う太輔は、今にも壊れてしまいそうな危うさを感じさせる







｢太輔、俺前ね、みっちゃんから聞いたんだけど……｣






それは、みっちゃんがずっと片想いをしてきた話



その人との出会いのこと








驚いたような、嬉しいような、悲しいような、複雑な顔してる太輔の目と合わさる





その内その目が潤みだして、今にも消えそうなか細い声で｢俺…どうすればいいの｣って言う






｢どうして、みっちゃんは太輔のとこに来たんだろうね｣




藤｢どうして…｣




｢他の人の所じゃなくて、太輔のとこに来た｣







会いたかったんだろうな、太輔に





話しをするみっちゃんの声は、あんなに愛おしそうで、嬉しそうで



聞いてるこっちが照れてしまいそうなくらい、純粋で真っ直ぐに、太輔を思っていた






藤｢……けど｣






太輔が引っかかるのは、玉森さんのこと？



本当に？






｢何、びびってんの｣






玉森さんが、どれ程みっちゃんのことを思ってるのか、そんなの痛いほど伝わってくる


それにみっちゃんも答えようとしてることだって




2人を見てれば分かってしまうほど、2人の空気感が出来上がっていて


このままそっとしてあげたくもなるけど







｢そんなんで諦められる程のものだったの？｣







太輔に、後悔して欲しくない




みっちゃんにもそう





だから、



｢会いに行きなよ｣







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