家に、北山ってやつが住み着きました。2

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北山side





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『……っぅ』






涙で、前が見えない



走って、走って





『……っぃた』





足がもたついて、転んで、足を捻ってしまった





何してんだろ、俺



『……っ』






痛い、ズキズキする



『……痛い』





苦しい






『藤ヶ谷……っ』




藤ヶ谷、藤ヶ谷……藤ヶ谷





『藤ヶ谷の……馬鹿野郎っ』




『会いたいよ……』






なんで、会いに来てくれなかったの



またねって言ったじゃん……会いたかったなんて、思わせぶりばっかり





俺ばっか好きになって、藤ヶ谷のことしか考えられなくなって



なのにっ藤ヶ谷の馬鹿！





『人でなしっ！……大っ嫌い！』




『一生仕事してろっ』






｢……っ、く……大好き、藤ヶ谷｣






目を閉じて、俯いた時｢北山｣って呼ぶ声が聞こえた



思えば、そう呼ぶのはお前だけだなって思ったら、再び目頭が熱くなった






『……』




藤｢どうしたの、こんなとこでっ｣




『……』




藤｢泣いてるの？……怪我してる？｣






藤ヶ谷の一つ一つの言葉が優しくて、愛おしくて






藤｢なんでこんな薄着……｣





藤ヶ谷……




藤ヶ谷、藤ヶ谷…






藤｢これ着てていいから、立てる？｣




『……藤ヶ谷っ』




藤｢ん？｣




『会いたかった……っ』







ずっとずっと、会いたかった






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