家に、北山ってやつが住み着きました。2

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北山side





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『……』





今日も、来なかった



なんでだか、宮田まで来なくなったし





玉｢リハビリ行こっか｣




『あ、うん』







筋肉のリハビリ



最初は、全然余裕だと思ってたのに、１ヶ月も動かしていなかった足は鉛のように重たくて、初めは立つのもやっとだった






今はゆっくり歩けるようになったけど、まだ不安定で、手すりに捕まってないと、転んでしまいそう






玉｢はい、お水｣




『ありがとう』




玉｢今日もよく頑張りました｣




『やめろよーっ笑』





たまはリハビリが終わったらいつも頭をわしゃわしゃって撫でて、頑張りましたって言ってくれる






病室に戻って、ベッドに入れば、たまはカーテンをしめる




なんで？って聞けば、これなら存分にイチャイチャ出来るでしょ？って無邪気に笑うから、許してしまう






ガラッと、ドアが開く音がすると



いつも身構える





でも結局、看護師さんや、隣の人の見舞いで







玉｢ねぇみつ｣




『ん？』




玉｢今、誰が来たと思った？｣




『……え？』






誰って……





玉｢分かんない？｣




『……分かんない』




玉｢教えてあげようか？｣




『……』




玉｢がや、でしょ｣







がや



その２文字に反応して、顔を上げれば、たまはやっぱり笑ってて、震えてた







『違う……！』





だから、否定した



藤ヶ谷なんて、待ってない！





たった数日しかあってない藤ヶ谷なんか






『藤ヶ谷なんか好きじゃない……っ！』




玉｢……ふふ｣






たまはまた笑って、俺の頭を撫でた






玉｢誰も好きとか言ってないじゃん｣




『……それはっ』




玉｢ごめんね、みつ｣




『……なんで謝るの』




玉｢俺、分かってたよ。みつが頑張って俺の事好きになろうとしてくれてること｣




『……違う』




玉｢分かってたのに、俺……酷いね｣






…違うよ





『俺は、決めたんだよ。これからはたまを、誰より傍で守るって』




『たまを……っ』




玉｢ありがとう、みつ。もう十分だよ｣






たまの手が頬に触れて、初めて自分が泣いていることを知った






玉｢もう、自分の気持ちを抑えなくていいよ｣






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