家に、北山ってやつが住み着きました。2

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玉森side





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なんだかがやの様子が気になって、俺もトイレだと言って後をおった





｢がや？｣




藤｢あぁ、たま…やっぱりりんご？｣




｢……うん、りんごにしようかな｣






本当はオレンジの気分だったけど、ここにいる言い訳を考えるのが面倒で、そう答えた





藤｢はい｣




｢ありがと｣




藤｢今日喫茶店は？｣




｢定休日だから｣




藤｢そっか｣






そこで途切れてしまった会話



ふと、がやを覗いてみれば、薄らと赤い瞳が見えた






｢……｣




藤｢ん？どうした？｣







どんな気持ちなんだろう、がやは




好きな人に……自分の存在を忘れられてしまうって…どれ程辛いことなんだろう






それなのに俺は…みつとがやが一緒にいるのが嫌で……みつががやの話をするのが、どうしようもなく嫌で……



自分がこんなにも最低なやつだと思わなかった





ごめんがや…



心の中で呟いた時、がやが先に言った






藤｢ごめんな｣




｢……え？｣




藤｢俺って、たまにとっていい存在じゃないよな｣




｢……｣




藤｢北山とたまを見てると、お似合いだって思う｣







……なんで、そんなことを言うの




俺とみつがお似合いだって？






｢だったらもう、来ないでくれる｣




｢もう……みつに会いに来ないでよ！｣







思ったより大きな声が、廊下に響いて、看護師さんがこちらの様子を伺っていた






俺はずっと、みつのことを見てきたんだよ……




分からないはずがないじゃん







みつの好きが、俺とは全然違うことなんて



悔しいくらい、分かるんだ






みつは、俺を見ていない




今も昔も、ずっと……他の誰かを思っている







その人がきっと……がやなんだろ







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