家に、北山ってやつが住み着きました。2

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北山side





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『……ん』




玉｢みつ……｣




『…ん……ぅ、たま……？』






朝、目が覚めると、横にはたまがいた





『……今日早いね』





まだ、朝ごはんだって食べてないよ俺……





『どうした……』






そっと手を伸ばすと、たまはそれを掴んで自分の頬にあてた




たまの頬と、たまの手のひらに挟まれた右手は、じんわりと温かさに包まれた







玉｢みつに会いたくて……｣




『ふふ、たまってそんなこと言う人だったっけ』




玉｢……ずっと我慢してただけ｣







途端に悲しそうな顔をするから、なんだか申し訳なくなった




ずっと、たまの気持ちに気づかずに……無神経だった自分が、どれ程酷いことをしてきたのか






玉｢……みつが好き｣






今にも泣きそうにそう言うから、安心させてあげたくて、微笑み返して、『俺も好きだよ』って伝えた






玉｢……俺、今凄く幸せ｣






なんて言って、嬉しそうに笑うたまを



愛おしいと思って、緩んだたまの手から離された右手で、そっと頭を撫でた






玉｢……みつ｣




『んー？』




玉｢痩せたね｣




『あぁ……ずっと眠ってたからね』




玉｢退院したら、みつの好きな物食べに行こ｣




『焼肉がいいな』




玉｢いいよ、食べに行こっか｣







玉｢だから早く、元気になって｣







退院までは、まだもう少しかかる




ずっと体動かしてなかったからリハビリだって、しないといけないし



１ヶ月は、かかるかな






……俺が退院したら、もう、会えなくなってしまうのだろうか



なんて……たまが目の前にいるって言うのに






俺は、ここにはいない藤ヶ谷さんのことを考えてしまっていたんだ






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