家に、北山ってやつが住み着きました。

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藤ヶ谷side





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気持ちのいい朝



窓から差し込む光で目を覚まし




いつものようにコーヒーをいれながら支度をする







コーヒーを1口飲んで、ほっと一息…………





って、なるはずだったのに








｢……だれ、｣






俺のベッドの半分以上を占領して眠る男





いや、男？








昨日は確か、渉と飲んで…



酔っ払って帰ってきた






渉の知り合いか？……いや、確かに2人だった







とりあえず落ち着こうと、男から離れ



そっとリビングに向かい、渉に連絡を入れてみる







返信を待つ間に、コーヒーを淹れ1口






にしても、いくつだ？




枕に埋もれてあまり見えないけど、俺よりも歳下？かな、可愛らしい顔立ちをした男は、起きる様子もなく、すやすやと眠っている







ﾌﾞﾌﾞｯ




渉からの返信音に男から携帯に目を移す






横｢タクシーまで送ったけど、太輔1人だったよ？｣






やっぱり、そうだよな






横｢なに、お持ち帰りしちゃった？｣





｢……っぶー……っ｣








渉のストレートな言葉に思わずコーヒーを吹き出した





｢…っ、ごほっごほっ｣







んなわけ……っ









『ん……』







むせた音で、男が起きてしまったみたいで



男に目を向ければ、男は目を擦り、ふあーっとのびをしていた







｢……｣





『……』








なんだこれ…






合わさった目を逸らせずに



よく分からない沈黙が流れる







『……おはよ』







いや、おはよじゃないだろ









『なにしてんの〜…あ、ごはん？』







なぜかスーツを着たまま寝ていた男はむくりと起き上がり



とぼとぼというよりはよちよちなんだろうか、そんな音がするような歩き方でこちらに向かってきて





目の前の椅子に座っては、俺にもちょーだいとねだってくる







｢……｣




『藤ヶ谷〜』




｢……なんで俺の名前｣




『あれ、覚えてない？』







男はそっか…と、寂しそうに言う





え、なに俺……まじでお持ち帰りしちゃったの？







『……なんて説明しよう』






、違うよな？




男から発せられる言葉を予想して、生唾をゴクリと飲み込む





『んと〜、今日から？ここに居候する北山です』




北山……今日からここに








｢…居候！？｣




『へへ、よろしくな』







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今日



家に、北山ってやつが住み着きました。

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