Don't wanna die (ページ10)

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藤ヶ谷side

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本当はずっと不安だった

北山がまた、俺を好きになってくれるか

俺が北山を好きなこと

北山はもしかしたら、嫌がるかもしれないって…

でも

俺の言葉に顔を赤らめる北山を見て

北山の言葉にいちいちもしかしたらって…

勘違いしそうになって

もし、好きじゃないと言われたら

そんなことだって頭に浮かんだけど

でも…もしかしたらって

結果がどっちであれ、知りたい

北山の心に触れたい

『あぁ、俺も好きだよ』

嬉しくて、涙がでそうになった

こんな気持ちは、久しぶりだった

｢北山…抱きしめてもいい？｣

『…い、いんじゃないですか/////』

耳まで真っ赤にして下を向く北山を

ぎゅってきつく、抱きしめた

背中に回してくれて、きゅっと俺の服を掴む北山の手

『このまま、時が止まればいいのに…』

そっと、体を離して北山の顔を覗くと

北山の目から、大粒の涙がハラリハラリと頬を伝っていた

苦しめているのは

もしかしたら、俺なのかもしれない

誰かを好きになるのことが、どんなに辛いことなのか

好きになっても…その気持ちすら

いつか消えてなくなってしまうから…

｢北山……俺、｣

『藤ヶ谷』

小さな体が背伸びして、

ちゅっと、可愛らしい唇が触れる

『俺は幸せだよ』

｢…っ｣

『藤ヶ谷は…辛い？』

辛い…

俺を忘れてしまう北山を

怖い顔して誰？って言われるあの顔を…

本当はいつも、怖かった

慣れるわけがないんだ

いつも

北山の記憶がなくならないでって願っては

叶わなくて…

何度も、やめてしまおうと思った

でも…それでも、やめられなかった

俺はただ…北山といたかった

北山を失うのが怖かった

『ごめんな…忘れてしまって』

『辛い思いをさせて…ごめんな』

北山が俺を優しく抱きしめてくれた

｢…っ｣

ねぇ北山…

俺は北山がいてくれればそれでいいよ

｢俺も…幸せ…っ｣

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