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〇*32.〇.修正 ページ32

北山side





.





完全に、八つ当たり








藤ヶ谷がAを好きなんじゃないかって




考えるだけで気が狂いそうになって






いつか、Aの想いが




藤ヶ谷に届けばって



ずっと思ってた






でも、それは違った





本当は



どこかで思ってたのかもしれない





上手くいかなければいいって







そんな自分にどうしようもなく腹が立った






なのにAは



そんなこと全然知らないで





いつもみたいに『みっくん』って




駆け寄ってきて







思わず、Aを抱きしめた





もう少し…このままで…



このままずっと…Aを感じていたい








『どうしたの…』





Aの優しい声に



久しぶりに感じたAの温もりに





好きだって



溢れてしまいそうになった







このまま、Aを…






「……もう、帰りな」







自分をこれ以上



抑えられるか分からない






いつか、Aを傷つけてしまうんじゃないかって






不安でいっぱいになって





怒りと、恐怖と、悲しみと




愛おしさ







感情がぐちゃぐちゃになって





俺ももう、どうしたらいいのか分からなくなって









Aに、冷たく当たってしまった






怒って出ていったAを見て




しまったって思ったと同時に






ホッとした自分がいた




このまま、Aが離れていけば





こんなにも苦しい思いをしなくて済むんじゃないかって






「…」





「…違う」








そうじゃないのに、





俺は…Aが、



好きなだけ





ただそれだけなのに…






Aを追いかけようと



Aが出ていったドアを開けようとしたら





聞こえてきたのは、藤ヶ谷の声だった







「…」





Aの嬉しそうな声が聞こえて








俺じゃないって、







君の隣に、俺はいけない






.

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作者名:ももみつ | 作成日時:2019年8月23日 10時

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