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北山side




.




夏休みがやってきた



玉「暑い〜」





毎日のように俺の部屋でくつろぐたま




『裕太くん、はい』



玉「あ、スイカっ!ありがとうみつママ」



『いいのよいいのよ〜』





もうすっかり母さんとも打ち解けてて



『たまには、どこか出かけてくれば?』





玉「んー、あじゃあさ、海行こうよ。サーフィンしよ〜」



『いいわね〜』



「なんで母さんが乗ってんのよ笑」



「母さんも行きたいわ〜...」





なんて言って、




じゃあ

戸締りよろしくねって仕事に出かける





玉「行ってらっしゃい〜」





海か...



玉「これ食べたら行こ?」



「...うん笑」





でも...サーフィンでもして


気を紛らわせられれば、なんて





.





「たま、上手いのな」



玉「ま〜ね〜。伊達にここで暮らしてた訳じゃないからね〜」





波が来て


それに乗って




海と一体になれている感じがして



俺もこの波と同じなんじゃないかって思えてくる





久しぶりにやったけど


やっぱり楽しいな





玉「はいみつ」



「ん?ありがとう」




そこで売ってたって


ラムネを渡してくれた




「なにこれ懐かし〜笑」



蓋を押してビー玉を落とす




「ん、おいし」



シュワシュワと弾ける泡が


喉をくすぐって、じれったい




「お前かき氷か笑」




なにやらボリボリ食べてるなって思ったら


いつの間にやら片手に氷を持っていた




玉「みつも食べる?」



「ん...いいや笑」



玉「そ〜かいそ〜かい」





砂浜に座って



離れたり、近づいたり


気まぐれな波を見つめる





「俺さ」



玉「ん」



「サーフィンでもしたら、少しは気が紛れるんじゃないかって...思ったんだけどな」



「全然駄目だったな笑」





恋しくて、



しょうがないんだよ






「...会いたいな」



玉「俺も会いたいな〜」




そう言って立ち上がったたまは


波に向かって叫んだ




玉「どこいったー!がやー!!!」



「ちょっ...たま!皆見てるよ...っ」



玉「がやのばーーか!!!」





ふふって、満足そうに笑うたま



「もう...」






「藤ヶ谷ー!!!!」



「会いたいよー!!!!」






玉「んふふ笑」




声に出して


思いっきり叫んで



さっきまで

重たかったものが



なんだかスっと軽くなった気がした




少しだけ、すっきりした




.

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作者名:ももみつ | 作成日時:2019年7月24日 21時

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