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北山side




.




外に出る気になれなくて



学校にも行けない日が、何日も続いてしまった





母さんに、心配かけたくないのに





そんな余裕すら、なくなってしまったんだ







トントンッ


部屋のドアがノックされる





「...ごめん」



入って来ないでって、言おうとした




玉「みつ」



「...たま、?」






ドアを開ければ



久しぶりって、笑うたま




いつもと変わらないその表情に



少しだけ、心が軽くなった気がした






.





玉「はいこれ〜」



そう言って渡されたプリントの束





玉「わったー心配してたよ。にかもがっちゃんも」



「...俺」



玉「いいよ。無理して話さなくても」





アイス買ってきたんだって、


コンビニの袋から

バニラのアイスを取り出して渡してくれた




玉「げっ」




もう梅雨も終わり、本格的にやってきた暑さ




玉「溶けてるよ...えー、もう嘘でしょー」



玉「俺楽しみにしてたのにー」






なんでたまって


いつも、変わらないんだろう





「...ふふ」



玉「あ、みつ笑った〜」





たまの指が俺の頬に触れる


ふにふにと、遊ばれるように




「...んだよ///」



玉「へへ...ねぇみつ」






玉「明日で、学校終わりだよ」



「...」



玉「行こ?」



「...行きたく、ない」



玉「どうして?」





学校に行けば


空席の席に、きっとまた探してしまう





それに...




「怖い...」



玉「怖い?」



「藤ヶ谷を思う度に...なんだか、何かが壊れてしまいそうになる」






それに伴って...頭も痛くなる



まるで、


これ以上は駄目って...言われているみたいで





「俺ももう...どうしたらいいか分からない...」



玉「泣かないで...みつ」



「...た、ま」






冷えた俺の身体を


もう一度温めてくれたのは、たまだった





玉「なんか俺...みつのこと...」



玉「守りたい」






少し前までは


俺が言っていたその言葉を




こんな風にたまから言われるなんて





玉「駄目...かな」



「...っ」






嬉しいのに



頭に浮かぶのはやっぱり





藤ヶ谷だったんだ




.

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作者名:ももみつ | 作成日時:2019年7月24日 21時

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