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北山side
.
文化祭まで後、5日
「...」
二「どうしたんだろうね...」
藤ヶ谷が、来なくなって
5日が経った
家に行っても、留守みたいで
連絡を入れても、既読もつかなくて
二「大丈夫。文化祭までには来るよ、きっと」
「...うん」
俺のせいなのかな
あの時の、藤ヶ谷の顔が浮かんだ
悲しそうで、苦しそうで...
見てるこっちまで、辛くなるような...
ねぇ藤ヶ谷...
藤ヶ谷を苦しめてしまったのは
俺だったのかな
藤ヶ谷は、俺の傍にいることで
傷ついていたのだろうか
答えを知りたくても
もう、聞くことも、出来ないんだね
.
.
ドロドロドロドロ...
二「うぅ...」
千「お注射します.....」
もう、皆完璧で
後は本番を待つのみ
『でもやっぱり最後の藤ヶ谷くんの台詞がないと...ねぇ』
『来ないのかな』
『どうしたんだろうね』
皆が藤ヶ谷のことを話し始める
なんだか、それが嫌で
そんなこと
「そんなことない」
来るよ
「藤ヶ谷は来るから」
来るよ...絶対来るもん...
.
けれど、そんな思いとは裏腹に
文化祭の前日になってしまった
「ん...」
玉「はい。りんご」
「ありがとう」
頭の上に置かれたパックのりんごジュース
いつかのお返しと言って渡されたジュースは
ひんやりと冷たかった
玉「明日一緒に回らない?」
「...」
玉「そんな気になれない?」
「へっ?...ぁ、回る!」
たまと、一緒に...
回りたい...
いつもなら、そう喜ぶ俺なのに...
どうしたんだろう
玉「無理しなくてもいいよ。」
「...ううん。一緒に回りたい!」
玉「そう?」
『北山くん、もう一度通して確認したいんだけど』
そう呼ばれて向かう
最後の確認
皆位置について
入ってくる横尾先生を脅かす
俺も車椅子に乗って
後ろから追いかける
横「ひゃぁぁっ...!」
最後の道、ここで
藤ヶ谷が出てくる...はずだった
「...」
でも、藤ヶ谷はいないから
声なんて、聞こえるはずなかった
『どこ...どこにいるの?』
「え...?」
横尾先生が怖がって教室を出ていく
藤「やっと見つけた」
そう言って微笑む藤ヶ谷に
思わず抱きついた
「藤ヶ谷っ...会いたかった...っ」
.
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作者名:ももみつ | 作成日時:2019年7月24日 21時