優しい雨－２－ (ページ46)

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『ふふ、太輔』

「…本当に宏光だ」

『ずっと宏光だよ』

「…そうだけど」

「俺の事、忘れたじゃん」

『…それは、ごめん』

「…ふふ、冗談だって」

でも、どうして

思い出したの

『雨にも神様がいるんだよ。』

「雨の神様？」

『うん。神様は意地悪じゃない』

『神様はいつだって、正しいことをしてくれる』

「何それ、全然分からない」

『うん…分かりやすく言うと、認められたって事かな…』

少し、照れたように笑う宏光を、もう一度抱きしめた

「もう、離してやらない」

『…うん///』

「宏光…」

『…ごめんね太輔、沢山傷つけたね』

体が少し離れて、宏光が俺の顔を見てる

恥ずかしいのに、嫌な気はしない

『…俺は2人を放って置けなくて』

たまと、宮田のことを言ってるみたい

「…え、じゃあ宮田は生きてるの？」

『うん…俺と交換した』

「なに…それ」

そんなことがあるの…

って、よくよく考えれば

宏光が初めてここに来た時から考えると全部腑に落ちた

「無知だったもんなぁ…宏光…」

『なんだよそれ///』

「ちっちゃい子みたいだった…」

『馬鹿にすんなよ///』

それで、こっちに来て、

何もかも忘れていたの

「…もう、お人好し」

『…藤ヶ谷なら』

「ん？」

『藤ヶ谷なら…また俺を見つけてくれるって…信じてた』

そうだった

宏光は、すぐ

こんな可愛いことを言ってしまうんだった

「あーーー宏光だと俺もたないーーー！」

『…もうっ、くるしーって///』

タオルで髪をわしゃわしゃ拭いてあげた

「風邪引くなよ」

「もう、宏光だって、風邪引くんだからね」

『…うん』

「後悔してない？」

『うん』

『する訳ないよ。だって、これからは藤ヶ谷とずっと一緒に居れるんだから。』

雨はもう上がっていて

綺麗な満月が浮かんでいた

『泣いてる？』

「…違うよ……月が綺麗だなって、思っただけ」

『本当だ、綺麗だね』

「…///」

『藤ヶ谷顔赤い』

「…っ//やっぱ、宏光は宏光だなって思っただけ」

『なにそれ笑』

神様、ありがとう

宏光がいる世界が、こんなにも愛おしいことを知ったよ

「愛してるよ」

何度だって

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