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「…った」
ズキズキと痛む頭
テーブルに散らかった空の缶
「…ん、…へ?」
すぐ横にあった北山の顔
まだ、その天使は健在の様子で
スヤスヤと可愛らしい寝息を立てていた
テーブルとソファの間の狭い空間
なんとか敷いてある毛布に、2人で
「…」
俺…何もしてないよな
触れたい
抱きしめたい
「……って、馬鹿なこと」
『…ん…ぅ…ふじがゃ』
「…わっ///」
『……おきたの』
「おっ、おきたっ//」
『…ふふ、なぁに』
変なことを考えてた自分が恥ずかしい
北山に、聞かれていたような気がして
「何考えてんだよ…」
『んー?』
ふぁーっと伸びをしてムクムクと起き上がった北山
お腹すいたなーなんて、早々に言うか?
『藤ヶ谷ー、なんか食おーぜ。あ、食パンあんじゃん』
『藤ヶ谷も食べる?』
「え?あ、うん」
昨日のお酒がまだ抜けないせいか
ボーッとする頭
『藤ヶ谷、はい』
「…ありがと」
『大丈夫か?』
俺…全然、覚えてない
そんなに、飲んだのか
『ちょっと顔色悪いし…横になってな?』
大丈夫だって、伝えようとして
ズキズキ痛む頭に邪魔をされる
「…ごめん」
『薬ある?』
「いいよ、自分で…」
『こら、病人は寝てなさい』
「病人て…
…リビングの横の棚、上から2段目」
『あー、あった』
コンポタージュを渡してくれた
お湯入れるやつ
『パンは?』
「…ちょっと無理かも」
『ん、じゃあ俺が食べるね』
2枚、俺の分も焼いてくれたのに
お腹すいてるからって
その後
薬も飲ませてくれて
『うん、良くなった』
青白かった顔に血色がようやく取り戻され
俺の記憶も戻ってきた
「…っ!」
俺…昨日、北山に…
『ん?』
「…き、すした」
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作者名:ももみつ | 作成日時:2021年5月14日 8時