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「今日も雨…」
梅雨だから仕方ないとは思いながら
いつもは、憂鬱に思うのに
今日は、少しだけ嬉しく思う
もしかしたらって、心が踊るから
トントンッ
家のドアが誰かにノックされた
インターフォンを押せばいいのに…誰だろう
「はーい」
扉を開けると、また君の姿が見えた
『また、来ちゃった』
「いらっしゃい」
男は、昨日俺があげたスウェットを着ていた
「昨日帰ってないの?」
『ちゃんと帰ったよ』
「でも服…」
『…あぁ、俺他に服持ってなくて』
「えっ、そうだったの?ごめん、昨日預かった服洗濯機に入れっぱなしで」
あの後、干してから
綺麗に畳んでしまって置いた宏光の服を渡した
『ありがとう、畳んでくれたの?』
着替えていいよって言うと、なんだか寂しそうな顔をした
服、クリーニングにでも出してるのかな
いや、でも1着だけって
『俺…これ着てたい』
そう言って、スウェットを抱きしめるように
自分の体を抱きしめてる宏光
そんなに、気に入ったのかな
「じゃあ、それあげるよ」
『いいのっ?』
目をキラキラ輝かせて、子供みたいに喜んでる
宏光って、凄い分かりやすい
よっぽど気に入ってるのか、着替えた後も、スウェットを抱きしめていた
「雨、強くなったな」
これじゃ出かけられないな
『ねぇ太輔!』
外に行こうって、宏光が笑う
俺は憂鬱に思ってたのに、だって雨だよって
宏光が楽しそうにするから
そんな憂鬱も忘れられた
「どこ行くの?」
『街を歩きたいっ』
「街…」
『人混みが少ない所でいいからさ』
太輔は人混みが苦手でしょって
「宏光、俺が誰だか知ってるの?」
『ん?太輔でしょ』
「そうじゃなくて、」
でも、テレビの事知らなかったし
『行こ〜太輔』
「待って…っ」
傘も持たずに出かけようとするから
濡れちゃうでしょって、腕を引いたら
弾みで俺の腕にすっぽりと納まった宏光
『…はい』
「ふふ、なんではい?笑」
『いや…』
「行こっか」
雨の日に出かけるなんて、いつぶりだろう
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ももみつ(プロフ) - わんわんさん» わんわんさんコメントありがとうございます。移行までもうしばらくお待ちください、なるべく早く更新頑張りますね^^ (2021年5月12日 23時) (レス) id: f1fbacd12f (このIDを非表示/違反報告)
わんわん(プロフ) - 楽しく読ませていただいております!更新頑張ってください!移行先で会いましょう! (2021年5月12日 7時) (レス) id: de77db628f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももみつ | 作成日時:2020年6月19日 22時