嘘つき (ページ46)

今日:15 hit、昨日:37 hit、合計:77,501 hit

46 ページ46

北山side

.

早くたまの元へ行かないと

そう思うのに

涙が止まってくれなくて

藤「北山やっぱり...」

「やだ...行く、行かないと」

けど、もう病院からはだいぶ離れてしまった

藤「タクシー呼ぶから」

「...ん」

ねぇ柚月さん

どうして...どうして今なの...？

ついさっきだよ？

2人で、ずっと一緒にいるって

誓ったじゃん...

みじか...すぎるよ...

藤「近くにいるみたいだからすぐ来れるって」

「...うん」

ねぇ柚月さん

俺はどうしたらいい...？

しばらくして、タクシーが来て

それに乗って病院へ向かう途中

柚月さんから貰った手紙の封を開けた

...答えが欲しかった

『みっちゃんへ

突然だけど、手紙を書きたいと思います

多分、私に残された時間はもうわずかだから。

裕太には、言えないけど

最近、ずっと眠たいんだよね

私がいつ、いなくなってもいいように

みっちゃんに、私の最後のお願いを託します』

お願いって...どうして、俺になんだよ...

『みっちゃん

この間は断られてしまったけど

やっぱり、裕太のこと

支えてあげて欲しい

強がりな所があるから、悲しんでても

隠してしまうから

その時は、

泣いてもいいんだよって寄り添ってあげて

笑っていても

実は凄く傷ついていて

その時は、そんなこと忘れるくらい

沢山お話してあげて

ごめんね。

私はもう、裕太の隣にはいてあげられないから

みっちゃん

お願い、裕太をよろしくね

裕太には

皆には、笑顔が1番似合うんだから

頼んだよ、みっちゃん

柚月』

柚月さんは

ずるいよ...

病院について

涙を溜めたたまをみて

思わず抱きしめた

柚月さん

俺はきっとあなたには叶わない

それでもいい

たまの涙を拭えるなら

大好きな人を守れるなら

約束する

たまを守るよ

.