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北山side
.
「...朝は、ありがと」
玉「んぁー？」
「庇ってくれて」
玉「あー、ああ言えば休めるかなって」
「えー？笑」
玉「んふふ笑」
「でも、嬉しかった」
それにね、
ちょっとだけさ...ドキドキした
多分、初めての感覚
それは、緊張の時とどこか似ていて
なんだったんだろう
「午後の授業は？」
玉「どーしよ。」
「えー、いこーよ」
玉「ん〜...じゃあ連れてって？」
「え？笑」
たまの両手がこちらに伸ばされる
これ、掴めってこと？
玉「ん。」
「あ...うん」
その手を掴んで、玉の体を起こす
玉「みつ〜」
「んー？」
玉「ちっちゃいねー」
「うっさいわ！笑」
なんか、眠そう笑
玉森さーん？ちゃんと目、開けてくださいー笑
玉「...ん」
あ、自販機...
りんご買わなきゃね
「一旦はなすよ？」
玉「やだ。」
「え、やだ？」
玉「ちゃんと連れてって〜」
でも...
玉「早く〜」
「...うん」
藤ヶ谷には、後で謝ろう...
午後の授業が始まる2分前
「ギリギリになっちゃったな」
玉「ん。」
教室近く、玉は俺の手からするりと離れていって
そのまま教室へ行ってしまった
「...あれ」
今、なんで俺寂しいって...思ったの
「...」
もう...教室入ろう
教室のドアに近づくと、慌てた様子の藤ヶ谷がでてきた
「あ、藤ヶ谷」
藤「もう、遅いから心配した！道迷ってんのかと思った...」
「藤ヶ谷...」
藤「ん？」
「ごめん...りんごさ」
玉にあげちゃった
その言葉が、どうしてか、言えなかった
「売り切れてたの」
藤ヶ谷は、俺を見て、
ふわりと笑って
藤「そんなのいいよ。ありがとな」
って、頭撫でてくれた
優しい藤ヶ谷に、申し訳なくなった
ごめん...俺、嘘ついた
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作者名：ももみつ | 作成日時：2019年6月19日 6時
