嘘つき (ページ14)

今日:32 hit、昨日:37 hit、合計:77,518 hit

14 ページ14

玉森side

.

みつに、嘘をついたんだ

.

本当は、こんなとこだって

初めて来た

でも、あたかもいつも来てますみたいな感じで歩いて

笑いかけてきた女の人に、微笑み返した

その女の人が、奥の部屋へ行こうと

目で誘ってきた

このまま、引き返せなくて

部屋へと向かった

もう、どうでもいいや

彼女に、好きにされる

そこに、みつが来た

「みつ、おいでよ」

泣きそうになってるみつに

意地悪なこと、言ってしまった

戸惑うみつに、俺は...

「なんで？これからじゃん。一緒に楽しもうよ」

みつ、本当に傷ついた顔して

身体なんて、震えていた

彼女が、みつに触れた

北「なんで...っ」

「みつ...！」

咄嗟に掴んだみつの腕

みつは、涙をためた目で、俺の方を振り返った

「行かないで...」

行かないでみつ...

ごめん...ごめんみつ...

北「...たまなんて...っ嫌いだ...っ大っ嫌い！」

掴んだ手を振りほどかれて

みつが消えていく

『あんな子ほっといて...私達で...っ！何するのよ！』

「近寄らないでくれる？」

みつごめん...っ

みつの後を追って、外に出た

北「...ぐすっ...うぅ...っ」

みつが、泣いてる

俺のせいで...

誰かの電話に出たみたい

北「ふじが、や...」

俺じゃない

みつを慰めるのは、俺じゃない

「...ごめんね」

ごめんね、みつ...

.