*元彼インスタ【三ツ谷隆】 (ページ16)

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今の三ツ谷くんにとって、私は本当の意味で
"本当に何も無い"対象なんだと

今カノさんがどう思うかは別として、三ツ谷くんはこの状況に1ミリもやましい気持ちなんてないんだろう

混乱していてちゃんと把握出来ていなかったけど、よく考えればそういうホテルな訳でもなくただのビジネスホテルだった

三ツ谷くんが電話しているうちに帰ろうとお財布からお金を出す私の手を、電話しながら近づいてきて抑える彼

「うん、うん、わかった。またね」

私の手を抑える反対の手で電話を切った三ツ谷くんは

「今日一限あるって言ってたけど、あれほんと？」

と寝起きのぼさぼさの髪の間からたれ目気味な目が覗く

そういえば昨日そんな嘘ついてあの場から逃げ出してきたことをだんだん思い出して、私に触れる三ツ谷くんの手の温度が暖かくて。

「てかもう夏休み入ってるでしょ？」

わかりやすすぎ、とからかわれて下手な嘘をついた自分が恥ずかしくなる

あぁ、そうじゃないか、と私を見つめていたその無気力な目が一旦下を向いて私の手を抑えてたその右手も離された

「彼氏今いるんだっけ、」

ベットにどさっと座った三ツ谷くんから投げかけられた質問にここまできておいて今更そんなことを聞くのかと驚く

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