君との出会い ページ3
教師「学級委員長。」
きり「なんですか？」
学級委員長って呼ばれるの嫌いなんだよなあ。
教師「Aにこれを届けに行ってくれ。」
きり「わかりました。」
Aさんって確か膠芽腫のグリオーマを患っていて学校に来れない人だったよな。
確か病気の人って妄想を抱きやすいんだっけな。
あまり絡まれたくないなあ。
そんなことを考えているうちに病院についた。
病室に入る手続きをしてAさんの病室のドアに手をかける。
きり「失礼します。」
貴方『はい。』
返ってきたのは透き通った透明感のある声。
目線を上げるとパジャマを着ている長い黒髪の少女がいた。
きり「Aさんですか？」
貴方『はい。そうですよ。』
にこやかな笑みをたたえてうなずく彼女。
俺が言葉を失っているとAさんが
貴方『それ、持ってきてくれたんですね。ありがとうございます。あと敬語使わなくていいですよ。私はAです。呼び捨てでいいです。』
きり「あ...渡すの忘れてごめん。俺はきりやん。呼び捨てとため口でいいよ。」
貴方『よろしくね。ま、最悪一日だけの付き合いになるけど。』
Aは最後にはかなく微笑んだ。
ちなみに渡したのは今日の授業のプリントである。
それをAは習ってないのにすらすらと解きだした。
その途中でペンが止まった。
貴方『ここわかる？』
きり「ここは＊＊＊だよ。」
貴方『頭いいね。ありがとう。はい、これ先生に渡しといて。』
きり「うん。」
Aはさっさと解いたプリントを俺に渡していった。
そして俺に聞いた。
貴方『明日も...くる？』
きり「うん。」
反射的に答えてしまった。
けどこれでいい。
貴方『じゃあ、あしたね...多分。』
きり「ああ、明日。」
Aの多分は聞こえなかったふりをして病室のドアを閉めた。
Aはドアが閉まるまでずっと手を振っていてくれた。
そんなAの笑顔が瞼に焼き付いていた。
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yurei(プロフ) - ありがとうございます！ (2018年12月2日 16時) (
レス) id: 66922ea055 (このIDを非表示/違反報告)
WT - 少ない文字数の中でこんなにも泣かせに来るなんて（僕はほぼ泣きましたｗ）すごいと思います!!それに、すごく文がまとまっていて読みやすかったです!! (2018年11月12日 20時) (レス) id: e7c8784ad3 (このIDを非表示/違反報告)
夜櫻 - このお話大好きです！ ひとつだけ、最後が『怒るからな』が『起こるからな』になってましたよ！わざとだったらすみません！ (2018年11月9日 22時) (レス) id: 575af276c5 (このIDを非表示/違反報告)
梅酒 - いい話でした！おもしろかったです。これからもがんばってください！ (2018年11月2日 21時) (レス) id: be8669dcb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yurei | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/WT_MT_tanpen/
作成日時：2018年10月30日 19時
