いたずら【HS】 ページ19
ふと額がひんやりと気持ち良くなって目が覚める。
目の前にヌナがいた。
「あ、起こしちゃった。ごめんね…熱上がってきたみたいだったから」
そう言って熱冷ましのシートを見せる。これを貼ってくれたのか。
そう言えば身体が熱い。
「少し食べれるかな?おかゆ持ってくるね。汗かいてるみたいだからその間に着替えてて」
ベッドの横に置いてあったタオルで身体を拭いて言われた通り着替えようとするが、身体がダルくて言うことをきかない。
そうこうしているうちにヌナがお粥を持って戻って来た。
ヤベ。俺まだ上半身裸なのに…。
「あ、身体ダルいよね。手伝うね、これでいい?」
そう言って全く狼狽えず、俺が手にしていたパジャマを手にとって着替えさせるヌナ。
そのまま俺をベッドに誘導する。
なんか。
もうちょっと…照れてくれてもよくない?
俺(達)のことを全く男として意識してないんだなと改めて思う。
「お粥、食べれそう?少しでも食べた方がいいんだけど…」
それが悔しかったのか自分でもわからないが、ふいに俺のSっ気に火がついた。
HS「ヌナが食べさせてくれない?」
「え」
HS「少し動いたらダルくなっちゃった。ダメ?」
こう言われたら食べさせないわけにはいかないだろう。
さっきまでとは打って変わって、ぎこちない動きでお粥をよそったスプーンをヌナが俺の口元に運ぶ。
流石に食べさせるのは恥ずかしいよね。
あ、でもこれ…俺も恥ずかしいわ…。
HS「…おいしい」
「良かった。。」
でもやっぱりそんなに食べれなくて、その後数口食べただけで薬を飲んで横になった。
そう言えば今何時なんだ?
夕方に帰ってきたからそんなに遅くないだろうと思って時計を見ると、深夜になっていた。
HS「え?マジで!?」
思わず声が出てしまう。
お粥を片付けて出て行こうとしてたヌナが慌てて振り返る。
「な、なに!?」
HS「あ、いや…ごめん。思ったより時間が経っててびっくりしただけ。。てか、ヌナこんな時間まで残っててくれたの?」
「熱が上がってきてたから…何も食べてなかったし。じゃあ、おやすみなさい」
何でもない感じでそのまま出ていこうとする。
HS「あ、うん…。ヌナ、ありがとう」
パタン、と扉が閉まる直前にそれだけ言った。
何時間待機してくれてたんだ。。
…早く治さなくちゃな。
俺はさっきヌナをからかったことを少し後悔して、改めて感謝しながら眠りに落ちた。
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作者名:よぞら* | 作成日時:2021年12月1日 14時