嫌なんだよ ページ35
Aside
直哉「……嫌なんだよ、お前が俺に気を遣うの。アイツと何があったのかは知らねぇけど、幼馴染みの俺に感情も何も全部隠して気を遣って。
そんなの、俺が一番つらいんだよ。好きな奴に、無理して笑われるのが、一番……」
ポタポタと流れる涙が私の頬を濡らす。
直哉の目はさっきと違って悲しみを含んだ優しい目をしていて。
そんな直哉の目を見たら、余計に涙が止まらなくなった。
「な、おやっ…ごめ、ごめんなさいっ」
直哉「A……」
そう言うと直哉は私の上から退いて、私の腕を優しく引っ張った。
そして……ギュッと抱き締めた。
壊れ物を扱うみたいに、優しく。でも離れられないくらい、強く。
直哉「A、ごめんな。俺、現実から逃げてた。お前の気持ちを、直接聞くのが、嫌だったんだ。
でも、いつまでも逃げてちゃダメだよな。だから……今、振って」
「え…?」
直哉「今、振って……Aが良かったら、アイツの出来ない分、俺がお前を守る。今まで通り、幼馴染みとして」
直哉は私の目を真っ直ぐ見てそう言った。
2人して泣きながら、数秒。ジッと見つめ合う。
「好き。人として、幼馴染みとして、好き。大好き、です」
気付いたらそんな言葉が溢れていた。
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スガ - 麦カケさん» 初めまして。コメントありがとうございます。更新したりしなかったりの作者ですが、満足して頂けるように頑張っていきますので、これからも暖かく見守ってくださいませ。 (2021年1月5日 18時) (レス) id: 412a05d814 (このIDを非表示/違反報告)
麦カケ(プロフ) - こんばんは、初めまして。とても面白いです!先生と幼馴染の言動にときめきながら読みました(´。・. ・。)* 作者様にとって無理のないペースで更新頑張ってください! (2021年1月2日 22時) (レス) id: ea0439ca7f (このIDを非表示/違反報告)
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