転生者の気紛れ演義 (ページ48)

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かつて… ページ48

女媧の1％の魂魄から分裂した分裂体たちは、申公豹や燃燈といったスーパー宝貝の使い手たちによって数を減らしていった。

そして、大元となる(99%の)女媧の魂魄体が自身の肉体へと逃げ戻る瞬間――封じられた女媧の身体から発せられた光線により、女媧の魂魄体が消滅した。

「女媧の身体を乗っ取ったな!!妲己!!」

太公望が、女媧の身体を奪った妲己に目的を問うけど、彼女はついて来るように言って地球へと戻った。
私も太公望たちに続いて地球へと戻る。

千里眼で妲己が女媧の身体を使って地球と同化したのを視て、私は蓮花図を構えた。

『宝貝・蓮花図――最終形態“守”』

かつて最初の人の一人が、私にある予想と宝貝・蓮花図の本来の使い方を告げていた。
伏羲が立てた計画により女媧が窮地に立たされた場合、彼女はこの世界を破壊し尽くし、別の世界を探すかもしれないと。
そうなった時の為に、この蓮花図には別の使い方があるのだと。

蓮花図の本来の使い方は、自身の力を変換してあらゆる面で味方を支援する宝貝だと告げた彼は、伏羲はその使い方を望まないだろう事も告げていた。
蓮花図は本来の使い方をすればその使い手の生命力や魂魄、あらゆる力を吸い取る諸刃の剣だからである。
その予想は当たっており、伏羲が私にコレを教える事はなかった。

復活した女媧の攻撃が早かったか、蓮花図による守りの壁が朝歌や周辺の村を包むのが早かったか――女媧による数多の攻撃を受けた蓮花図は、私の力が広範囲に分散された為かボロボロになり果て、次の攻撃がくる以前に蓮花図も私も耐えられないだろう事は明らかだった。

「これは…A…っ」

太上老君が私の名を呟き、太公望が此方を見た。

『後は君らで頑張ってくださいね』

私の身体は地上に落ち、もう動く事さえままならなかった。

その後の事は、千里眼で見ているだけであったが、宝貝を通して皆の力を取り込んだ太公望により、女媧は倒された。

それと同時に、限界だった私の身体は崩れてしまった。
いや、もとより蓮花図の最終形態で繋がっていた私は、女媧の攻撃で蓮花図と同様にボロボロではあったのだけど…もうすこし、この世界を見ていたかったなぁ・・・・・・