遊戯（ゲーム） ページ34
孫天君との遊びに参加する事となり、太公望はまず四不象に遊んでやるように指示をした。
「太公望よ…」
「玉鼎、A。もう少しで敵の居場所がわかるかもしれぬ」
太公望はこれまでの孫天君の言動から、その居場所を予測したようだ。
四不象が孫天君とくずし将棋をしている間、太公望はその予測を話し、玉鼎も天井付近の数体に目を付ける。
せめて一体に絞れれば、玉鼎なら一瞬で切れるのにね。
私は完全に勘だけど、天井付近なら…あのサングラスかけた腕の長い人形かな？
まぁ、勘で蝉玉を危険に晒すわけにもいかないので、黙っておこう。
それから四不象が失敗し多くの駒を孫天君に取られてしまい、ぬいぐるみに姿を変えた。
『次は私がいこうか？』
「いや、わしがやろう」
太公望には策があるらしく、私は玉鼎と共にいるように耳打ちされた。
「………太公望かい…」
「この手の勝負ならわしも少々たしなんでおる」
さて何して遊ぼうか、と言う太公望に、孫天君は「神経衰弱」をしようと言った。
太公望がそれを了承すると、玉鼎が真面目な顔をして「その
『玉鼎君…』
「生真面目なボケを…」
孫天君がカードを用意している間に、太公望は玉鼎に神経衰弱について説明を行う。
説明を終えた頃に丁度孫天君がトランプを持ち出してきた。
カードはイカサマをされてはかなわんと、太公望が並べることになったようだけど、太公望もイカサマ…まぁ、何もいうまい。
太公望は手品師のような振る舞いをして、打神鞭の風で少々大げさにカードを並べた。
…ああ、打神鞭の風で十数体の人形に小さな切れ込みを入れているね。
これが太公望の目的かな―？
後、カードが舞い上がった拍子にどこに何のカードがあるか
太公望もカードの位置と数字を覚えて、それを当てるというイカサマをしていた。
「うう…ある意味才能に溢れたグレイトなイカサマ…」
孫天君は太公望にカードを切らせた自分のミスだと言っているが、金鰲十天君がこれで終わるだろうか？
そう疑問に思っていると、太公望が「外した」…あぁいや、正確には孫天君によって外されたのかな…。
そして、先程の太公望に倣うかのように次々とカードを揃えていく孫天君は、どうしてと問う太公望に「創造主に都合の良い空間」が十天君の十絶陣だと答えたのだった。
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作者名：瓜栖斗 | 作成日時：2019年7月2日 22時
