転生者の気紛れ演義 (ページ33)

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金鰲島内部へ探ｋ…侵入ページ33

崑崙山と金鰲島の隣接する壁を壊し、金鰲島内部へと侵入した私たちだが、崑崙山と異なり、金鰲島内部は文明的に進んでいるようであった。
これでは通天砲射程距離の目測を誤っていてもしょうがない。

「金鰲島は内部が空洞なのよ。浮いている球体は『星』といって、まぁ、いわば部屋ね」

『へぇ…下のほうにある巨大なのも『星』かい？』

「そうよ。あそこが金鰲島の中枢――『核(コア)』よ！聞太師はあの中で金鰲島を制御しているはずね!!」

「聞仲があそこに…！」

それよりもバリアの制御室はどこにあるか、と玉鼎が訊ねると、蝉玉は「こっちよ！」と言って先を歩く。
『星』と呼ばれる部屋に多くの気配がするのが妙に気になる。

・・・引き篭もりか、羨ましい。
こういう事態でなければ私だって千年くらいは寝ていたいのにっ！
コレ終わったら、絶対、姿暗まして寝てやる。

おっと、気が逸れている間に、蝉玉が敵の罠？により、八卦図から異空間に連れ去られてしまったようだ。
太公望たちと揃って八卦図から敵の異空間へと入ると、そこはオモチャや人形が沢山あるメルヘンな部屋だった。
…狐の人形はあるかな？

「ね―――」

「いやっ…ぬいぐるみがしゃべっ……」

「遊ぼーよ――何して遊ぶ――？」

私たちを待ち伏せしていた敵(カピバラ)は、そういうとクイズをして遊ぼうと言う。
勿論、太公望は断ろうとしたが、蝉玉が勝手にクイズに参加してしまった。

カピバラを蹴り飛ばしてクイズの問題を読んだ蝉玉が堂々と「奈良漬！」と答えたけど、チラっと見えた問題からして答えは…「人間」じゃないのかな？
というか、奈良漬けって動物じゃないよね!?

結果、答えは「人間」で…クイズに負けた蝉玉は敵の能力で人形にされてしまった。

「おまえ…何者だ!?」

「申し遅れちゃったね。ボクちゃんは金鰲十天君の一人、孫天君！ボクちゃんの亜空間『化血陣』へようこそ！ここはオモチャの世界なんだ。崑崙十二仙の玉鼎真人と崑崙の総司令太公望…ボクちゃんのオモチャ・コレクションの一つになってもらうよ！」

玉鼎と太公望をご所望か…。
玉鼎真人が得意の居合いでカピバラを切ったが、それは本物のぬいぐるみだった。
姿を現さない孫天君に怒った玉鼎が部屋のぬいぐるみ人形諸々を切るものの、人形が自爆できる事を実証し、そして蝉玉の身体を借りた孫天君によって止められる事となる。

曰く、蝉玉を自爆させたくなければ遊べ。

それが孫天君の要求だった。