転生者の気紛れ演義 (ページ29)

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目立つ花だなぁページ29

皆の治療を終えた頃、哪吒の修理を終えた太乙が前方に見える影をみて「何だありゃ？」と言ったのが聞こえた。
軍人も皆同じ方向を向いているんので、ソレを見付けるのは容易だった。

『あれは…』

【うわぁでっかい植物！】

「皆、黄巾力士に乗って！あそこに向かうよ！！」

さて、私たちも向かうとしようか。
巨大植物に向かう中、太乙が「あの巨大な植物が趙公明の元型」だと予測していた。
まあ、あんな派手な姿を見ると、誰でも趙公明だと思うよね。

「ん？」

巨大植物の頂点にある蕾が膨らみ、開くと、そこには花の中に趙公明の顔があった。

「いやあああっ!!!」

それに反応して叫んだのは、蝉玉だった。

「もはや無敵のこの僕を倒せるのかね!?」

「うわっ…しゃべっ…いやああああっ!!!」

そうしている内に下の水面から根が伸びてきた。
恐らく、趙公明の根だろうね。

「うわっ…」

「なっ…何よこれもぉいやーーっ!!!」

「エイッ!!!」

蝉玉は根に捕まり、黄天化・天祥と哪吒は根に攻撃を加えて反撃、太乙は身を隠して回避。
私と那穣はと言うと…

『…まあ、私を守るベールで燃えるよね』

【狐火だよーっ】

私は防御宝貝の炎のベールで、那穣は狐火を使う事で、近付く根を燃やした。

「あっ！あれはポルシェ！？どんどん上に昇ってくぜ!!」

土行孫の見る方角へ目を向けると、変身した四不族の姿が見えた。
ふむ、四不象が成長したのかな。
なんとなく、太公望がやろうとしている事は理解できたので、私は那穣に狐火を出しておくように言っておく。

「来るぞ太乙！防御せいっ!!」

「あ、元始さま？え？来るって？何が？」

太乙が疑問を浮かべている間にも、太公望の準備は整ったようで、中間圏の大気が送られてきた。
私と那穣は自前の炎や狐火により暖を取っているが、太乙たちは準備も何もできておらず、寒そうにしている。
帰りたがる太乙たちを止めたのは、コートで寒さ対策をしていた元始天尊だった。
まあ、そういうならコートを寄こせってなるよね。
私の防御は寒さを通さないけど、範囲は狭いから小さい子くらいしか入る隙間はない。

『天祥君はこちらにおいで。天化君たちは那穣の近くに寄ってるといいよ。那穣、狐火の追加はできるかい？』

【任せて！】

「あったか～い」

「助かるさ！」

太乙は元始天尊のコートを奪ったからいいかな？
元始天尊が寒そうにしているけど自業自得という事で。

流石の趙公明もマイナス90度には勝てないようで、凍っていた。