転生者の気紛れ演義 (ページ17)

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西岐と気紛れ仙人ページ17

先日の悪戯を経て西岐城を訪れると、太公望から話が通っていたのかすんなりと受け入れられた。
今は太公望たちの居る部屋に案内されている所だ。

『・・・』

【母さん？どうしたの？】

『すんなり過ぎてツマラナイ帰りたい』

【え…折角来たのに？もう帰るの？】

『だって、普通に会いに行くとか…どうせなら奇襲したかった』

そんな会話をしながら案内された部屋へと入ると、中にはベッドに横になる姫昌と姫発、周公旦、太公望、黄飛虎が待っていた。

「来たか。先日振りじゃのう」

『やァ望君。そして久しぶり、姫昌君』

「…やはり、貴女だったか」

「オヤジの知り合いか？」

「ああ、発と旦はまだ小さい頃だったから覚えておらんか…」

「どういう事じゃ？A」

『昔、暇潰しにちょっとだけ食糧問題の改善に助力しただけ』

姫昌はその懐の広さで姜族やその他の難民を受け入れたりしていて、西岐城では食料が不足していた。
それに加えて百人もの(おおくの)子供がいたのだ。

彼の行動を見た後、私は気紛れに大地に力を流した。
昔の仙人が使っていた術の一つである、自らの力を流し、大地に活力を与える事で植物の成長促進を促す。
私がやったのはそれだけだよ、と言うと太公望は呆れた様子で「それで一時期眠りについておったのか」と言った。

『やりたい事をやって、怠惰に生きるのが私のモットーだからね』

「それで食事事情が助かったのは事実だ」

「それに、先日の仙人同士の戦いで崩れた山から民を助けてくれたのは、貴女ではありませんか？民からの情報、絵姿と貴女の姿は一致しています」

『あー、そんな事もあったねぇ…』

「あの時は礼も言えぬままだったが…やっと言える。あの時の助力、そして先日は民を助けてくれて、ありがとう」

「俺からも礼を言うぜ」

『…ただの気紛れで助けただけだよ。感謝されるいわれはないね』

「…そういう事にしておきましょう」

そういう事じゃなく、事実だってば。
姫昌は力なくではあるが面と向かって言い、姫発は持ち前の明るい笑顔で、周公旦は淡々とお礼を述べるけど、本当に気紛れに助けただけなんだから！

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【感謝】
いつの間にか星をくださり、ありがとうございます。
hitからも数名、この小説を読んで下さっている方がいると判り、やる気に繋がっております。
まだ50話まで長いですが、どうぞゆるりとお付き合いくださいまし。