転生者の気紛れ演義 (ページ13)

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【悪戯】罠屋敷ページ13

飛んだ彼等をみて、太公望が意気揚々と「四不象に乗っておれば床の罠なぞ関係ないわ！」と言いながら、四不象に乗って飛んで来たけれど、勿論対策済である。

ピーーー！！

「およ？」

ゴッガァァン

笛の音が聞こえると、天井からは二つのタライが落ちて来て、太公望と四不象の頭に見事直撃した。
そして、床に落ちた。
・・・残念ながら罠床じゃあなかった。

「空中まで視野に入れているなんて…」

「この遊ぶ時の為に用意した罠が、手抜きな筈ないだろう」

「こ、これだけの為に手の込んだ罠を用意するとは…なんて暇人な」

「う、うるさいな。とにかく、次は誰が来るんだよ！？」

「はい！俺がいきます！」

そう挙手をして走ってきたのは、天然道士の武吉だった。
彼は罠のある床石でさえ反応しきる前に次の床石に移るため、この部屋の床石の罠の半分が不発に終わった。

「罠が反応するより先に行くなんて…」

「武吉くん凄いっス！」

「よいぞ武吉！そのまま捕まえるのだ」

盛り上がっている所、悪いのだけど、今回はあくまで“鬼ごっこ”なんだよね。
那穣に視線を向けると、彼はにんまりとした悪役顔で

「追いかけっこなのに、ただ待つわけないだろ」

と言って私を抱えて城の奥へと走り出す。
序でに天井に仕掛けた“砂が落ちて来る”罠を敢えて作動させて武吉の行く手を阻んだ。

「ほらほら、こっちだよ？」

そう言いながら、那穣は私をお姫様抱っこして罠のない道を走る。
まあ、全部の罠の位置覚えていれば、造作もないよね。

それを追ってくるのは武吉と四不象に乗った太公望、そして黄天化の三名。
おや、楊戩と黄飛虎は別の道から挟み撃ちでもするのかな？
色々と罠を張っているので、早々先回りできないと思うけれど。

「四不、武吉、天化！あやつの通った道を行くぞ！右・右・真ん中・右・一つ飛んで真ん中！」

「ラジャーっス！」

「はいっ！」

「わかったさ」

やっぱり、太公望だとこの手の遊び(ワナ)は簡単かあ。
よし、ここは予定通り、厨房(キッチン)のトラップに行こう。
あれは中々の出来栄えだからね。

もがもがと言えば、那穣は了承の意味を込めて厨房へと向かう。