【ＫＺ】脱退宣言

二十、俺達 ページ20

美門side



「んなの、」



上杉が口を開いた。



眼鏡の奥の目が静かにゆらめていた。



「その柳田ってやつは、立花に嫉妬して、立花になんかしてるんじゃねーの」



誰もがそう思っていた。



きっと、この場にいる全員が。



だけど、言えなかったのだ。



言ってしまったら。



認めてしまったら。



アーヤが柳田に何かされているのは、



俺達のせいに、なるから。



そして、それを痛感するのが、



怖かったから。



「……ああ」



若武が、いつになく静かに相づちを打った。



「きっと、そうだ」



認めざるを得なかった。



一刻も早くアーヤをKZに戻したい。



きっと、その気持ちが強いんだ。



若武が相づちを打ったので、黒木や小塚も静かに頷いた。









アーヤは、俺達のせいで辛い思いをしてるんだ。

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