【ＫＺ】記憶は知っている＃２

#64：悲しげな笑顔 ページ19

そのあとマリンとのショッピングを思いっきり楽しんだ。




マリンって優しい部分あったもんね。




マリンも施設に来てくれるって言ってたし、うれしいなぁ！！





オルゴールの説明書、読んでみよう！





うーん・・・






何だろう。この漢字・・・






ひかりさんに読んでもらおーっと！







「彩ちゃん！笑顔だわね！楽しかった？」






と声をかけてくれた。





「はい！とても楽しかったです！あの、ひかりさん？私、これが素敵だなって思って、買ったんです。説明書を読んでくださいませんか？」






と恐る恐るいうと、






「いいよ！」





と笑顔で言ってくれた。





「これ、すごいね！録音できるタイプなんだ〜。すっごく高かったんじゃない？」






あ、まぁまぁ高かったな・・・






音声を入れれば録音できるのか。このボタンを押したらいいんだ。






ひかりさんに伝えとこう。






「ひかりさん。私記憶がすべてなくなっちゃうかもしれない。だからみんなにメッセージを残したいんです。みんなが心配して悲しまないように。もし記憶を失ってしまったらあの子たちのことも忘れてしまうかもしれないって思ったんです。」





真剣にひかりさんは聞いてくれた。






「録音してるってこと、私がすべての記憶をなくしてしまったら、みんなに伝えてください。お願いします！」






ひかりさんは笑顔で言った。でもその顔には悲しみも刻まれていた。

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