きみを忘れる旅 *Kazunari.N (ページ3)

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episode3 ページ3

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「あっ雨！」

ポツポツと雨が降り出した。

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「傘ある？」

「一応。はい、これ和也の」

鞄の中を探り和也に折りたたみ傘を渡す。

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「さすが(笑)」

なんて言いながら和也が傘を開く。

私も自分の傘を開いた。

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「じゃあ...帰る？」

「いや、もうちょっとこの辺散歩しない？雨もたまには悪くないよ、私達いっつもインドアだし(笑)」

「まぁね(笑)」

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二人で、丘の上をゆっくり歩く。

「ふふっ(笑)」

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傘がぶつかり真っ直ぐ歩けない私を見て、和也が笑う。

「なっ」

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こうなったら、いつもの和也の癖、私もやって見せてあげるんだから。

だから、私も和也と同じように口を尖らせた。

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「あーもうごめんごめん(笑)」

そう言われてもわざと口を尖らしたままにして、軽く睨んでみる。

「ごめんね？」

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っていう声が聞こえて、

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和也が私の返事を待たずに、優しくキスをした。

ゆっくり唇が離れる。

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「っ...//」

「照れすぎ(笑)」

なんて言って笑うきみ。

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優しく笑うきみが、この時間が空間が

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泣きたくなるくらい一番大事なものだった。