◇020 ページ20
【胡桃side】
・
もう一度ドライヤーをつけて、教えてもらったとこを乾かす。
触られた左手が汗ばむくらいドキドキする。
私が乾かし直す姿を先輩は近くで見てくるから
うっかりドライヤーを落としそうになった。
和也「逆上せた？」
「いえ…、シャワーだったので」
和也「すっげぇ赤いけど」
カズ吉先輩…。
お触り多いです…。
赤くなってる頬の上を先輩の指が滑る。
「カズ吉、胡桃ちゃんを困らせないの」
和也「だって、赤いじゃん？」
…そうか、カズ吉先輩は鋭い人。
この瞬間も私の気持ちは汲み取られてる。
バレ…てるんだよね。
私の気持ち。
からかわれてる。
私が赤くなるのを見越して、こんなことしてくる。
とっても酷い人。
やっぱりお泊まりは危険。
太陽が昇る頃に、私は呼吸困難で死んでるかもしれない。
A先輩もちょいちょいカズ吉先輩を注意してくれるけど、甘えん坊な大野先輩に構ってるから
それを見たカズ吉先輩はまたからかってくる。
「先輩…、もう寝ましょう？新歓で疲れてるじゃないですか」
和也「電気消したらさ、あいつらが」
カップルの方を見る。
大野先輩は完全にA先輩を包囲してる。
和也「新歓で我慢してたから」
A先輩は大野先輩の顔を押し返してるけど…。
和也「お子様には刺激が強いでしょ？」
大野先輩がA先輩の唇を食べた。
思わず目を逸らす。
生のキスを初めて見た。
和也「お前らも場所考えろアホ」
カズ吉先輩が寝転がってる大野先輩の足を蹴って一喝した。
「カズ吉先輩の前でも…普通にするんですか…？」
和也「もう見飽きてる」
大人だ…、大野先輩もA先輩も。
私が知らないことをたくさん知ってる。
大野先輩は余程眠かったのか、A先輩と引き剥がされてもそのまま寝息を立て始めた。
大野先輩の寝顔にイタズラしてたA先輩も、いつの間にか大野先輩の近くでコテンと寝てた。
「電気…、消しますね」
消灯。
私は眠れない。
ドキドキしすぎて疲れたはずなのに
疲れをも忘れるドキドキが発生しているから。
寝たい。
寝てしまいたい。
恋は苦しくてナンボだけど、寝て逃げられるなら今は逃げたい。
和也「ねぇ、」
「…」
寝たフリ。
ごめんなさい…、私そんな余裕ないです。
私の気持ち知られてるのに、平気な顔してお喋り出来ないです…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 955人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちお(プロフ) - 杏奈さん» 杏奈さん♪ ふたまたさとしシリーズを読んでくださりありがとうございます♪ 杏奈さんご自身のプロフィールを18歳以上に設定すると私の作品ページにある彼氏色をご覧いただけると思います☆ (2017年6月9日 22時) (
レス) id: a1c0da4454 (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - ふたまたさとしもすごく良かったです(//∇//)彼氏色も見たいのですが、どうやったら見れるでしょうか？ (2017年6月9日 21時) (レス) id: 4fb3f8340f (このIDを非表示/違反報告)
きよりん - カズ吉さんみたいな人が現れないかななんて思っちゃいました(＾ｰ^) (2017年5月31日 23時) (レス) id: 06de107023 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 最後の添い寝のシーン 良いなあ〜(//∇//) すごく 大事にされてる感じ。 間違いなく 我慢はしてるはず。 でも、それを感じさせずに、大事にしてる。 カズ吉 〜〜(//∇//) 胡桃〜〜！ 幸せになるんだよ〜〜(笑) て、誰お前(笑) (2017年5月29日 0時) (レス) id: c42c4ca209 (このIDを非表示/違反報告)
けいこ(プロフ) - 胡桃ちゃんとカズ吉みたいな2人もいいな〜あちらの2人ももちろん好きだけど？可愛い後輩って感じで先輩カップルもイロイロ構いたくなっちゃうね。カズ吉のご指導ですが追いついちゃうなきっと。大人な2人も楽しみにしてます！ (2017年5月29日 0時) (レス) id: fffa901499 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：◯
| 作成日時：2017年5月19日 8時
