2話 ページ2
Aside
ふわっと桜の花びらが舞った。
目の前には、沢山の桜の木がとても美しく花を咲かせていた。まるで、私を歓迎してくれている様に。
いつの間にか立ち止まっていた私の肩にお母さんが手を置き、顔を見ると、優しそうに微笑んでいた。
母 「行きましょっか。」
A 『うん。』
私は、お母さんとは別で、クラスへ行かなければならなかったので、体育館の近くで一度別れ、クラス表を見に行った。とてもドキドキする。
A 『……2組か。』
一言だけ呟いて、私は教室へ向った。どんなクラスだろうと、期待と不安が混じり合った胸を、一度深呼吸をして落ち着かせてから、教室に向って歩き出した。何故か周りがザワザワとしており、何かあったのかと不安に思ったが、とりあえず教室へ向うことにした。
教室に入ると、クラスメイトとなる人達が、周りの人と会話をしていた。窓側の一番後ろだった席を確認し、席についた。窓や天井を見て、まだまだ新しい教室なんだと、どうでも良いことを考えていた。
? 「あの……」
ぼーっとしていた私に、前の席の女の子が話しかけてきた。
くりくりとした大きな目。ふわっとした綺麗な髪の毛。守りたくなるような、とても可愛い顔をしており、一瞬固まってしまうが、即座に、はい。と、返事を返す。
? 「私、加古凜奈って言います。宜しくね!」
A 『私は、片桐A。宜しくね。』
返事をすると彼女は、ぱっと効果音が付きそうなくらいの笑顔になった。
凜奈 「呼び捨てで呼んで!A!」
A 『ありがとう凜奈。』
その笑顔に答えるように、私もふっと笑みを返した。
入学早々、新しい出会いがあり、とても嬉しいというのが、今の私の思い。本当に運に恵まれているな。なんて考えながら、凜奈との会話を楽しんでいた。
凜奈 「Aの目ってとっても綺麗な青色だよねー。……カラコンとかじゃないよね?」
A 『そんなわけないじゃん。遺伝だよ』
凜奈 「ほんと?!Aってハーフなの?」
A 『違うよ。高祖母が、ロシア人なの。だから、お母さんも瞳は青色。』
凜奈 「そーなんだ!……にしても綺麗な色してるよねー。私真っ黒だからとっても憧れるー!良いなぁ−」
凜奈の瞳も充分綺麗だと思うから、私は、そう思わない。
A 『私は充分、凜奈の瞳も綺麗だと思うけど。』
凜奈 「本当に?ありがとう!」
そんなことを話していると、体育館への移動の呼び掛けけがかかった。
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作者名:あずき餅 | 作成日時:2019年1月27日 18時