鴉の知らせ ページ40
師範と分かれた後に現れた鬼を倒した私は、どこに通じているか分からない廊下をひたすら移動していた。
「本当にこっちの方でいいの?」
「カーッ!黙ッテ進メェ!!」
現在、ここへ落ちてきたときに一緒に付いてきていた私の鴉の案内で先を進んでいる。
私には散り散りになった下級隊士を集めて、その指揮を取るように指示が出ていた。
けれど、まだその誰とも合流てきていない。
「カァァァーーーッ!死亡!!胡蝶シノブ死亡!!」
その知らせは突然だった。
「──っ!?」
近くを飛んでいた別の鴉の声に一瞬頭が真っ白になる。
「上弦ノ弐ト格闘ノ末、死亡ーーーッ!!」
柱が………
しのぶさんが…………
鬼にやられた!
那田蜘蛛山で大怪我をした私を懸命に治療してくれたしのぶさん。
陽翔と陽葵を預かることになった時も、実弥さんと喧嘩して破門にされたときも、何か起こる度に何度も私を心配してくれた。
しのぶさんと蜜璃さんと一緒に楽しくお茶会をした日々が頭を過る。
「っ、しのぶさんっ………!」
泣いている場合じゃないのに涙が勝手に溢れてきて、それを手の甲で拭う。
前方に鬼の気配がして顔を上げると、数体がこちらに向かって走ってくる。
涙を堪えようと必死になりながらそれらを捌いて廊下を進んでいく。
「炭治郎、義勇、上弦ノ参撃破!疲労困憊ニヨリ、意識保テズ、失神!!」
暫くして今度はそんな報告が聞こえてきた。
上弦ノ参を義勇さんと炭治郎くんが倒した!
「凄い……!」
みんなバラバラの場所に落とされたんだろうけれど、頑張ってる。
私も頑張らないと!
「どけェ!!伊之助様のお通りだァァァ!!!」
突然後ろから聞き慣れた声がして振り返る。
「い、伊之助くん!?」
「おぉっ!?お前とこんなとこで会うとはな!!」
私を認識したらしい伊之助くんが私に追い付いてくると隣を並んで走る。
「オラオラァ!!早くしねぇと突っつくぞ!!いいか!!一番強ぇ鬼の所に案内しやがれ!分かったか!!
目の前を飛ぶ鴉に凄む伊之助くん。
そんな鴉は必死な様子で案内している。
可哀想に………
それにしても伊之助くんはこんな状況でも元気いっぱいのようだ。
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月見(プロフ) - 澪凪さん» 嬉しいコメントありがとうございます!お待たせしてばかりですが、更新頑張りますね!最後までどうぞお付き合い下さい(*^^*) (2021年7月29日 21時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - やばいです好きぃぃぃぃぃぃぃっ!!頑張ってください、めっちゃ楽しみにしてます! (2021年7月29日 9時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - みっちゃんさん» ありがとうございます!おっしゃる通り、すれ違いつつもこの辺りから少しずつ二人の距離が縮んでいく予定です(*^^*)のんびり更新ですが精一杯頑張るので、最後までよろしくお願いします! (2021年7月6日 21時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - めっっっちゃめちゃ面白いですね…実弥さんと夢主さんがすれ違いながらも徐々に近付いていく感じがね!もう、ね!(*´・v・`)いつも更新、本当にお疲れ様です。これからも楽しみにしております!! (2021年7月6日 10時) (レス) id: b998dfb0fd (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 衣世さん» コメントありがとうございます!小説版読んでいた時に、実弥さんとカナエさん…そうなのかな?と思ったので、「2」で一瞬カナエさんのこと書きましたが、ファンブックで確定したときは驚きました(*_*)まだその辺の下書きがとっ散らかっていますが、更新頑張りますね(^^) (2021年6月18日 17時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2021年6月18日 5時