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明らかに様子のおかしい春真は走って逃げようとする。
それを引き留めると


「ッ全部お前のせいだ!!!!」
「ぎゃん!!!い、いいいきなり蹴ることないでしょ!!!!」


腹部を思いっきり蹴られてしまう。
怒って声を荒げたが、視界に映った春真の顔は真っ赤で涙目になっていた。
そのせいで、私の口からそれ以上言葉は出てこなかった。


「!……だっ、だいじょう、ぶ……」


涙目に気付いたAは、優しく春真に声をかけた。
しばらく目を右往左往させ、困惑した様子を見せた春真だったが


「…………これ」


逃げる気が失せたのか、くしゃくしゃの紙をAへ渡した。


「……その、…手紙」


ただでさえ赤い顔が、もっと赤くなる。
それを見て、Aは嬉しそうに笑い、ありがとうと礼を言ってその手紙を受け取った。
ぱっと顔を明るくした春真は、どういたしましてと、聞き取れるのがやっとな声で答えた。
クシャクシャなのは、私がさっき驚かせたせいだろうか…。
罪悪感に駆られながら春真の子供らしい表情を見て、こういう顔は可愛いなとまた思う。
するとAが、鞄から小さな包みを取り出した。


「飴…?」


春真はそれを受け取り、目を輝かせた。


「…い、いいの…?…っ!!!!あっ、ありが、とう…」
「良かったね、春真」
「…あんたに頭撫でられても嬉しくない」
「このガキ…」





春真と別れた後に、手紙の内容をAに聞いた。
内緒だと言われたが、こっそり後ろから盗み見る。
すぐに覗いたのがバレ、全部は読めなかったが、雑な字で「スキです」と書かれているのが見えた。
待っている間の緊張している様子を思い出し、思わず笑ってしまった。
それにつられたAは、春真くん可愛いねと手紙を微笑ましそうに見つめていた。




――――




可愛い初恋

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作者名:不雲綺 | 作成日時:2017年7月21日 17時

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