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…7… ページ9

「んぅ」



山のように盛られた白米を見つめながら、小さな声で唸る。



「どうした」



すると曇が何を思ったのかそう問うてきた

こちらは、数秒間考え



「いや、なんでもない」


「…なんかあるだろ」


「…では言う」



そこで、咳払いをすると

曇は「なんかあるじゃねえか」とぼそりと呟いた。

今衝動的に、この白米を曇の顔に投げつけたくなった…。



「…いいのか、この白米を…曇の顔に投げつけても」


「あぁっ!?お前今なんつった!?」



そこで自分は、少し笑みを浮かべて



「あぁいや気にすることじゃない」



箸を持った手を顔の前で振った。



「いや気になるだろ!」


「言いたい事とは違う」



で、もう一度咳払いして



「やはり手合せはやめておく」



言いたいことを言った。



「…負けるのが怖くなったかァ?」



ふふん、と何故か笑うと

嬉しそうに口角をあげ、白米を口に運んだ



「いや、面倒くさくなった。寝たい」


「おま…」


「そう言う事だ。朝食を食べ終えたら屋根で寝る」


「屋根って…」



そうと決めたら白米を勢いよく口に運ぶ



「おいおい、いきなりどうした…」


「A、そんなに口に入れると飲み込めないだろ」


「あぁもう、ほらお茶」



白子が傍にお茶を置いてくれた。

お茶は少しだけ落ち着いて喉に通す

のみにくそうな顔をして飲み込むと、トコトコと外に出た。

他の皆がぽかんとしていた気がするけれどまぁいい。



「…あ」



外に出て気づく


・・・「ごちそうさま」言っていない。

しまった、と思いもう一度部屋に戻る


戻ってきたのを見て、また皆ぽかんとしながら見つめてきた。

そんな視線を無視して、曇の隣に正座をする。



「…ごちそうさま」



それだけ言うと、また早足で外に向かった。



「―――…♪」



鼻歌を歌いながら、いろんな手を使って屋根に上る。

いい天気ー…ではないけれどまぁ…うん。

ふぁあ、と大きな欠伸をして横になる。



ああ、このまま寝てしまおう。

長い時間も短く感じるはず。



目を瞑ったとき、鳥が飛んでいくバサバサという音が耳元で聞こえた。



そして鳴く



・・・カラスか。

…8…→←…6…



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明都 - 妖狐、悩んでますね……景光達との再会があるのか、気になるところです。 (2015年2月21日 14時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 明都さん» 手合せは比良裏乱入して来たら私得です…(笑) (2015年2月14日 14時) (レス) id: 30ec80f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
明都 - 続き読みました♪景光と妖狐の手合わせ……どちらが強かったんだろう?そして、ほのぼのな感じが良かったです。景光と妖狐達の再会はないのかな?続き楽しみです♪ (2015年2月14日 14時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 明都さん» 餌付けです。簡単についていっちゃいますよ~(笑) (2015年2月8日 0時) (レス) id: 3c3d70d76d (このIDを非表示/違反報告)
明都 - 続きも素敵です♪景光さんに餌付けされたのね(笑)逃げてきたぽこも、可愛かったです!続き楽しみにしてます。 (2015年2月7日 13時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:不雲綺 | 作成日時:2014年9月19日 19時

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