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「…どう」



睡魔に負けてしまいそうな三男が、目をこすりながら上を見上げた

次男と曇は口をぽかんとあけ、空を見上げる

白子も、驚いた顔をしていた。



「これが雲のない夜空」



少しこちらも自慢げに手を広げると

皆空に夢中になっているのか、こちらを向かなかった



「…すっげえな」



まず声を上げたのが次男。

その一言で、心なしか心の中で何かが生まれた

ふわっというか、安心したというか



「輝いてるッすね…」


「綺麗なもんだな」



次々に上がっていく声に、らしくもなく嬉しいと言う感情を表に出していた。

その証拠に、自分分かるくらいに口角が上がっていて笑っているという事。


ああ、この景色を共感できる人が出来た。



「…この景色、久しぶり。曇の神社の近くじゃ見れないモノ」



独り言のようにつぶやいて



「曇」



長男を呼んだ。

すると、ずっと上を見上げていた曇はこちらを見た。



「なんだ」


「お前はあの星がつかめるか」


「…無理だろ」


「そうだな。無理だ」


「…いきなりなんだ…ってあ?アイツ何処行った」




くるっと回って4人から離れる

足元を小さな狐が頬をこすりつけていたので、頭を撫でる

そして狐が暗闇の中に入っていくのを見て、自分も山の中を下りていく


星はつかめない

輝くものを手に入れたら輝かない

星だってそうだと思う


こっちにとっての輝くもの、星は曇兄弟だ。


隣にいても、どこかにいる人物たち


ふわぁと欠伸を溢すと、足を止め

曇たちの元に戻ろうと足を進めた

何しに来たかなんて自分でもわからない



どの星もつかめない

ああ、気分が悪くなってきた。



皆、置いて行ってしまうんだ。




「曇。そろそろ帰ろう」


「おいどうした。顔色悪いぞ」


「よく、分からない」


「…兄貴、確かにそろそろ帰ろう」


「おいらも眠いっす」




そんな三男の声を最後に、体が重くなり睡魔がおそった。



「…曇、悪いが背負えるか」


「誰を」


「…誰だと思う」


「…お前の事だな。…しょうがねえな」



次に全員がまばたきをした瞬間

曇神社。


妖狐、少し便利なものだけど人においてかれるからなぁ。


曇の背中に身を預け、眠りについた。

…6…→←…4…



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明都 - 妖狐、悩んでますね……景光達との再会があるのか、気になるところです。 (2015年2月21日 14時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 明都さん» 手合せは比良裏乱入して来たら私得です…(笑) (2015年2月14日 14時) (レス) id: 30ec80f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
明都 - 続き読みました♪景光と妖狐の手合わせ……どちらが強かったんだろう?そして、ほのぼのな感じが良かったです。景光と妖狐達の再会はないのかな?続き楽しみです♪ (2015年2月14日 14時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 明都さん» 餌付けです。簡単についていっちゃいますよ~(笑) (2015年2月8日 0時) (レス) id: 3c3d70d76d (このIDを非表示/違反報告)
明都 - 続きも素敵です♪景光さんに餌付けされたのね(笑)逃げてきたぽこも、可愛かったです!続き楽しみにしてます。 (2015年2月7日 13時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:不雲綺 | 作成日時:2014年9月19日 19時

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