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「Aさん!!!朝っすよー!!起きるッすー!!」
うぐっ、と声が漏れそうになる衝動。
なんだなんだと目を薄く開くと
三男がこちらの上に乗っかっていた
「…」
走って、飛び跳ねて、こちらの上にでも乗ったのだろう。
だとしたら一瞬苦しくなった意味が分かる。
過去を思い出して数日。
傷だらけの体は、本当の自分なのだが
見ていて他の奴が、痛々しいとか思うのではと
普通の綺麗な姿でいることにした
…気を抜くと、傷が浮かんでくるが
もう隠す必要もないので
慌てるなどしない
「…もう、朝か」
「そうっす!!空兄が起こしてこいって!!」
「…ご苦労様」
そう一言だけ言って
もう一度布団に顔を突っ込む。
「あーっ!!なんで寝ようとしてるんすかぁ!!」
「…眠い…」
「起きてくださいっすー!!!」
起きろと言われてもだな…。
睡魔には勝てないんだ
すると、どんどん、と床から音がしてきた
足音…荒々しいな…。
大きくなったと思った足跡が止まると
バンッと襖があく音
「おーう起きろA−っ!!!」
「ぐぅふ…っ」
「あ…天兄!」
三男が上から退いたと思ったら
曇が乗っかってきた
おい…流石にお前は駄目だろう…。
と思うが、声を出す前に睡魔がまた襲う
そういえば、この間も曇がこちらの上にのったことあったな
あの時は上に三男もいた。
それに比べれば…。
いや、重い。
曇はこちらより大きいし男だ
重い。
そりゃ三男がいたらもっと重いだろう。
だがいなくとも重い。
「この状況で寝ようとすんのかよ…」
「よほど眠たいんすね…」
「…重い…眠い…」
また血を吐くぞ
そう思いつつ、目を閉じると
「兄貴!!お前はもう座って…って病み上がりの奴の上に乗るな!!!!」
次男の怒号
…今ので少しは目が覚めた…。
「Aももう起きろ、兄貴は退け、宙太郎も朝食の準備してあるから戻れ」
「眠い」
「起きろ」
「俺も寝ようかなー」
「起きる」
「どういう事だ」
曇は寝相が悪いと聞いた
腹をけられたりしたら困りものだ
「また朝から騒がしいな…」
「白子さん…」
あれ以来、警戒の色が無くなった白子。
…理由は不明だ。
でもまあ、警戒されているよりは全然
こちらの気も楽だ
「空丸ー、お兄さま眠たくなっちったー」
「一生寝てろ」
「酷い!!」
「おいらも天兄と寝るっすー!!」
「寝るな!!」
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明都 - 妖狐、悩んでますね……景光達との再会があるのか、気になるところです。 (2015年2月21日 14時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 明都さん» 手合せは比良裏乱入して来たら私得です…(笑) (2015年2月14日 14時) (レス) id: 30ec80f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
明都 - 続き読みました♪景光と妖狐の手合わせ……どちらが強かったんだろう?そして、ほのぼのな感じが良かったです。景光と妖狐達の再会はないのかな?続き楽しみです♪ (2015年2月14日 14時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 明都さん» 餌付けです。簡単についていっちゃいますよ~(笑) (2015年2月8日 0時) (レス) id: 3c3d70d76d (このIDを非表示/違反報告)
明都 - 続きも素敵です♪景光さんに餌付けされたのね(笑)逃げてきたぽこも、可愛かったです!続き楽しみにしてます。 (2015年2月7日 13時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:不雲綺 | 作成日時:2014年9月19日 19時